バッテリー管理システム（BMS）は、各種電気自動車（xEV）のアナログ回路部分を進化させるうえで、大きな可能性を持っています。BMSの基本的な役割は、駆動力をはじめ電気を必要とするさまざまな用途に電力を適切に分配することです。バッテリーのコストが車両全体の30～40%に達するxEVでは、電力の適切な配分は極めて重要です。ユーザーの求めに応えて航続距離を延ばそうと、バッテリー容量は増加しています。そして、バッテリー格納スペースにはより大きなバッテリーパックを収納するようになってきました。この結果、BMSにも進化が求められているのです。バッテリーが複雑になり、バッテリー制御の高度化による効率化に目が向けられるなか、BMSのTAM（Total Available Market; 市場全体の規模）は二桁%の成長をここ数年続けています。電気自動車市場は在庫がだぶつきその整理を行っている最中ですが、BMSに関しては、前年同期比15%増の勢いが2024年を通じて続くとみられます。半導体やバッテリーに関わる企業はすべて、上流のチップメーカーから下流の完成車メーカーにいたるまで、この動きに関係し、そしてTAMの増加の恩恵を受けることになります。
BMS分野で活躍する企業として、Analog Devices、NXP Semiconductor、Texas Instruments、Infineon、Qualcomm、Qorvo、CATL、LG Energyが挙げられます。
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