2025.05.21| PR|

世界のスマートフォン市場の売上は増加を続け、2025年第1四半期には前年同期比3%増となりました。これは出荷の伸びと同じ割合です。この調査結果を含むMarket Monitor serviceを、カウンターポイント・リサーチ・エイチ・ケー(英文名:Counterpoint Research HK、以下カウンターポイント社)が発表しました。平均売価(ASP)は前年同期比1%上昇して364米ドル(約5.25万円)になりました。関税の問題の先行きが不透明ですが、メーカー各社はこれにそなえて戦略的に流通チャンネルの在庫を事前に積み増していたこともあり、スマートフォン市場は勢いを維持しています。

2025年第1四半期の市場動向について、シニアアナリストのShilpi Jain氏は次のように述べています。

「世界のスマホ市場は、製造拠点の戦略的な移転とAI機能の搭載の増加を背景に、緩やかに成長した。Appleとvivoを除けば、売上を伸ばしたのはトップ5社以外だ。例えばGoogle、Motorola、Huawei。トップ5社以外も、付加価値をつけて高級機指向の波に乗って事業を伸ばせることを示している。」

Appleの業績について、リサーチディレクターのJeff Fieldhack氏は次のように述べています。

「AppleのiPhoneは、ASPが前年同期比で9%も減少したにも関わらず、売上は落ち込まなかった。それどころか、Appleはトップ5社の中で最速で伸びている。出荷が大きく伸びている(前年同期比12%増)からだ。これはiPhone 16eをこの四半期の半ばに発売開始したからで、出荷は伸びたもののASPには下げ圧力がかかった。それでも、これは正しい判断で、この四半期のAppleの業績を支えた。」

Samsungは出荷数において世界のスマートフォン市場で支配的な地位を維持していますが、1年前と比べるとASPは7%下がっており、それが売上に影響を与えています。値ごろな機種を増やしたことが影響しています。

トップ5社のなかではOPPOだけがASPを伸ばしています。高級機の比率を高めたからです。vivoは辛うじて売上ベースで前年同期比成長になりました。インドなどで好調でした。

今後は、2025年内は世界のスマートフォン市場は若干縮小すると、弊社では予測しています。関税にからんで市況やサプライチェインの不透明さがあり、それが消費者心理やマクロ経済指標を一時的に落ち込ませるからです。

 

【カウンターポイントリサーチ社概要】
カウンターポイントリサーチ社(英文名Counterpoint Research HK)はTNT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化したグ
ローバルな調査会社です。主要なテクノロジー企業や金融系企業に、モバイル、車載、AIなどハイテク市場についての週次・月次・四半期毎に、市場データ、個別プロジェクト、詳細な分析レポートを提供しています。また、ハイテク業界で経験を積んだエキスパートが当社のアナリスト陣を構成しています。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/