2023.08.17| PR|

  • 2023年は、このままいけば、世界のスマホ出荷が過去10年で最低の年になる。
  • 各地域のマクロ経済のリスク要因が、スマホの買い替えサイクルを過去にない長さにしている。
  • 中国とインドを除くアジア諸国、北米、そして中国が、負の成長の最大の要因とみられる。
  • Appleは各社の中では最も良い状況にあり、初の首位をうかがっている。
  • 回復が遅れて2024年にずれ込むリスクが高まっており、2024年第1四半期の市況は慎重に見定める必要がある。

 

Counterpoint Researchが提供する最新のGlobal Smartphone Shipment Forecastの推定値によれば、2023年の出荷は6%減少して11.5億台になる見込みである。これは過去10年で最低の数字である。

アジアが成長への最大の足かせとなっている。年初に期待されていた中国の経済回復が様々な逆風で止まっており、さらに広くアジア全般でも新興国での市場の縮小度合いが増している。

北米も相変わらず世界経済の復調の足を引っ張っている。上半期が期待外れに終わり、その結果、年間では二桁の下落の見通しである。雇用情勢は良好でインフレも後退しているにも関わらず、消費者は新機種を買い控えしており、米国と世界の買い替えサイクルを過去にない長さにしている。

 

 

「経済の状況と、消費者の携帯の購入とが、同期しなくなってきた。どのキャリアをみても、今年になってこれまでのところ、買い替えは記録的な低さに留まっている。」と、北米担当のリサーチディレクターJeff Fieldhack氏は言う。

 

さらに、以下のように付け加えた。

「しかし、第4四半期がどうなるか興味深い。iPhone 15が発売されるので、キャリアにとっては高級機を買う顧客を取り込むチャンスである。さらに大勢のiPhone 12所有者が販促キャンペーンで積極的に買い替えに動く可能性があり、Appleは今後に向けて好位置につけている。」

 

また、中国では「高級機セグメントのシェアが増えているので、Appleは有利な状況だ。」と中国担当のアソシエイトディレクターEthen Qi氏は語った。

 

高級および超高級セグメントの成長は世界中で起こっているトレンドであり、高級機に集中したポートフォリオを持っているAppleのようなメーカーには追い風となっている。

 

2023年はAppleにとって新時代の始まりになるかもしれない。高級機市場が堅調であることと、米国での好調とによって、同社は初めて年間出荷台数において世界首位になる可能性がある。「Appleは本当に

首位に肉薄している。その差はまさに数日分の売上相当でしかない。」とFieldhack氏は分析する。「Appleが昨年のような生産問題に悩まされなければ、チャンスは五分五分だ。」

 

 

【カウンターポイント社概要】

カウンターポイント社(英文名Counterpoint Research HK)はTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリスト陣はハイテク業界で長年の経験を積んだエキスパートである。

公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/