• 5億台近いeSIM対応機器が2023年に出荷され、eSIMエコシステムにとって最良の年となった。
  • G+D、Thales、IDEMIAがeSIM開通処理事業において業界を主導するペースメーカー役である。これらの企業は能力においても、業績の結果においても、抜きんでている。
  • Kigen、VALID、RedTea Mobileがそれに次ぐリーダー級であり、Eastcompeace、WORKZ、Oasis Smart SIMは挑戦者の位置づけである。

Counterpoint Researchが提供する2023年版のGlobal eSIM Enablement CORe (COetitive Ranking and Evaluation)レポートによれば、G+D、Thales、Idemiaが業界をリードするペースメーカー役として抜きんでていることがわかった。

これに関して、シニアリサーチアナリストのAnkit Malhotraは以下のように述べた。

「世界のeSIM業界は、2022年の変曲点を経て、2023に急拡大した。5億台近いeSIM対応機器が2023年に出荷された。キャリア各社のeSIM対応も広がり続けており、いまや世界の350を超えるキャリアがeSIMに対応している。一般消費者向けのeSIM対応機器は過去にない速度で増加している。その一方でIoT-M2M機器(自動車を含む)におけるeSIMのサポートは、業界が標準規格SGP.31/32(訳注:業界団体GSMAが策定するIoT向けのアーキテクチャ・要件・技術の仕様)準拠の製品やサービスを使えるようになるのを待っていることもあり、もっと穏やかな普及である。」

 

 

Malhotra氏はさらに以下のように付け加えた。

「我々は、eSIMバリューチェイン上の主要各社を、独自のCOREフレームワークを用いて分析・評価した。このフレームワークは、各社を能力と事業遂行の成功度合いとを用いて分析するものである。図において、『能力』はファームウェア、コンプライアンス、相互運用性(インターオペラビリティ)、サプライチェインにおける影響力などを考慮したもので、また『エコシステム』は世界各地へのリーチ、パートナーシップ、および市場シェアを考慮したものである。」

 

今回の調査を通じて得られた知見について、アソシエイトディレクターのMohit Agarwalは以下のように述べた。

「G+D、Thales、Idemiaは、我々のeSIM開通実績ランキングにおいて、業界を先導するいわばペースメーカーに台頭してきた。これらの各社はオールラウンドの能力を持ち、事業遂行においても他をリードしている。それが、他と比べて圧倒的なシェアというかたちで表れている。G+Dは消費者向けにおいて業界をリードしており、そのソリューションはeSIMオンリーのiPhone 14や15をはじめ、Apple iPhoneに搭載されている。Thalesは自動車業界向けの出荷でリードしている。IoT/M2M向け全体では三社に大きな違いはない。」

 

Kigen、VALID、RedTea Mobileは、前述の三社に次ぐリーダークラスである。各社ともプラットフォームの機能が充実しており、市場での実績も他社より優れていた。Kigenは、急成長の会社で、特にiSIM(訳注:従来独立だった通信モジュールとeSIMとを一体化したSoCの規格)ソリューションで抜きんでており、IoT市場に強い。同社はコンシューマー向けソリューションにもサービスを広げつつある。VALIDは、おもにコンシューマー向けと自動車向けで素早い事業展開を行い、急拡大中である。

 

Eastcompeace、WLRKZ、Oasis Smart SIMは、挑戦者として浮上してきた。EastcompeaceとWORKZは2023年中に最も業績改善した二社である。Oasis Smart SIMは強力なプラットフォームを持ち、好位置につけている。同社はTATA Communicationsに買収されたことで、今後の事業も力強く展開するものと思われる。これらの会社は、提供する機能も素晴らしく、能力も高いので、eSIM機器の市場の伸びに合わせてマーケットでのプレゼンスが高まり、挑戦者を卒業してリーダー層に昇格していく可能性が高い。

 

Counterpoint ResearchのGlobal eSIM Landscapeは、この分野における最も包括的なレポートで、エコシステム上の主要プレイヤーに複数回のインタビューを繰り返しつつ、3ヵ月以上にわたって調査を行ってまとめたものである。

この、包括的かつ詳細な Global eSIM Landscape Report, 2023’ は購読者の皆様に提供中です。ご興味のあるかたはCounterpoint Researchまでお問い合わせください。

 

 

Team Counterpoint

Counterpoint Researchは若く急成長中の調査会社で、ハイテク業界の分析を得意としている。カバーする領域は、コネクテッド機器、消費者向けデジタル製品、ソフトウェアとアプリケーション、および関連分野のトピックスである。当社の調査チームがまとめて発行するレポートに加え、要望に合わせてカスタマイズしたレポートも提供している。また、セミナーやワークショップを企業向けに開催して好評を得ており、依頼があれば実施している。特に高精度の調査を必要とするプロジェクト向けには、コンサルティングやカスタマイズした調査活動も実施する。