カウンターポイント・リサーチ・エイチ・ケー(英文名:Counterpoint Research HK、以下カウンターポイント社)は、世界のxSIM対応端末の出荷は2024年から2030年の間にCAGRで22%成長を続けて90億台を超える見通しである、とする最新調査結果を含むeSIM Devices Market Outlookを発表いたしました。この予測には、ハードウェアベースのeSIM(eUICC)、iSIM(iUICC、訳注:eSIMを別チップではなくSoCとしてワンチップに取り込んだもの)、nuSIM(訳注:コストが厳しいIoT向け)、Soft SIM(訳注:セキュアな方法でソフトウェア的にSIMの機能を提供する)などすべての形態が含まれます。

 

この業界は、2022年にeSIMのみ対応のiPhoneが米国限定で発売されたのをきっかけに変曲点を突破し、いまや急激な成長をみせています。eSIM対応端末を発売するメーカーがどんどん増加していることが、この状況を物語っています。コンシューマー向け製品ではスマートフォンでのeSIM採用率が最も高いです。しかし、コネクテッドカー、ネットワークのゲートウェイやルーター、ドローンなど、物理SIMでの運用が困難なアプリケーションにおいてこそ、eSIMやiSIMの恩恵は極めて大きいのです。長期的には、こうした業界ではxSIMがデフォルトの接続方式になるでしょう。

 

出典:Global eSIM Lnadscape – Market Outlook and Forecast

 

世界中の通信キャリア企業でeSIM技術の採用が増えていることも、この予測を裏付けています。世界中で合わせて400を超えるキャリアがeSIMをサポートし、使える端末は平均で50機種を超えています。

eSIMが多様な業界で急成長する見通しについて、リサーチアナリストのSiddhant Cally氏は次のように述べています。

「eSIMエコシステムの主要プレイヤーたちは、eSIMをフラグシップ機種だけでなく、中級機種にも展開する準備を進めている。eSIMのみ対応の新型iPadも、未来がeSIMに向かっていることのサインだ。短期的には、旅行やローミングのユースケースもeSIMの採用を大きく後押しするだろう。」

 

出典:Global eSIM Lnadscape – Market Outlook and Forecast

 

2030年には、iSIM対応の端末がセルラー通信のエコシステムのかなりの部分を占めるようになるとみられます。iSIMが急成長するという見通しについて、シニアアナリストのAnkit Malhotra氏は次のようにコメントしています。

「iSIMにとってはまだ黎明期だが、今後3年ほどで採用が加速するとみている。コスト、サイズ、回路の複雑さをみな下げる効果があるからだ。だから、スマートホームから産業用センサーまで、広範なIoTアプリケーションにとって最適解になるだろう。」

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また、こちらのリンクから、eSIM EnablementeSIM ProvisioningeSIM Orchestrationのレポートをご覧いただけます。

 

 

【カウンターポイント社概要】

カウンターポイント社(英文名Counterpoint Research HK)はTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んでいる。

公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/