2023.09.05| PR|

  • 米国で2023年第2四半期に売れたBEV(バッテリー駆動電気自動車)の2台に1台はTesla製。
  • 米国外メーカーのBEV販売は前年比で2倍を超えて81,000台となった。
  • 2023年末には、年間のBEV販売台数は100万台を超えるとみられる。

 

Counterpointが提供するUS Passenger Electric Vehicle Model Sales Trackerの最新調査によれば、米国における乗用バッテリー駆動電気自動車(BEV)の販売は2023年第2四半期に前年同期比57%増加した。米国は前四半期にドイツを抜いて以来、世界で二番目のBEV市場の地位を保っている。第2四半期における米国の乗用車販売全体の7%がBEVであった。Teslaの数字は、二番手以降の自動車メーカー14社のBEV販売台数の合計よりも122,000台多かった。

 

市場動向について、リサーチアナリストのAbhik Mukherjeeは以下のように述べた。

「これまでの勢いを保って、米国の自動車産業は2023年第2四半期も右肩上がりであった。乗用車全体の販売は前年同期比16%と急上昇した。BEV販売はさらに好調で、EV減税(訳注:8月に可決された法案の一部で、従来上限に達していたメーカーについても、改めて税控除の対象になる。)と、消費者の環境問題への意識の高まりとが、追い風になっている。米国メーカー、例えばTeslaGMFordRivianLucidKarmaなどは合わせてBEV販売全体のほぼ3/4を占めている。米国で事業をしている海外メーカーでは、欧州のメーカーが最もシェアを取っており、韓国、日本と続く。こうした海外メーカー、例えばHyundai KiaVolkswagen GroupMercedes-BenzBMWVolvoToyotaSubaruJaguarLand RoverのBEV販売は、前年同期比で100%も跳ね上がり、ほぼ81,000台に達している。」

 

出典:US Passenger Electric Vehicle Model Sales Tracker

 

米国でのベストセラーBEVトップ5車種が、この四半期のBEV販売全体の60%を超えた。TeslaのModel YModel 3は、合わせてBEV市場の55%を占めている。Rivian R1Tは、2023年第2四半期のベストセラー第3位に台頭してきた。Rivianが2021年後半に最初の車を発売して以来、トップ5入りするのはこれが初めてである。

 

 

市場の見通しについて、リサーチディレクターのJeff Fieldhackは以下のように述べた。

「現在の成長軌道が維持されるなら、2023年末には米国でのBEVの販売は年間100万台をこえるだろう。しかし、在庫が増えていることが自動車メーカー各社の足かせになりそうだ。北米全体で各社のEV関連投資が急増しており、EV生産ラインの立ち上げ、部品、電池、充電インフラに費やされている。その額はすでに1,000億米ドル(約15兆円)を超えている。ほとんどのEVメーカーは新モデルの発売や既存モデルのアップデートを2024年に向けて準備中である。積みあがる在庫に対応するには、自動車メーカー各社は価格を下げるか生産を絞らないといけない。いずれにしても財務に悪影響が出る。」

 

*販売の数字はメーカー卸値、つまり各社の工場から出荷した時点で計数している。

 

包括的かつ詳細な情報を掲載したUS Passenger Electric Vehicle Sales Tracker, Q1 2018-Q2 2023report.counterpointresearch.comよりご購入いただけます。

 

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【カウンターポイント社概要】

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