2025.06.24| PR|

世界の半導体ファウンドリー2.0市場、2025年第1四半期はAI需要により前年比13%増の722億9,000万ドルに成長

【北京、ブエノスアイレス、フォートコリンズ、香港、ロンドン、ニューデリー、ソウル、台北、東京 – 2025年6月24日】
世界の半導体ファウンドリー2.0市場は、2025年第1四半期に前年同期比13%増の722億9,000万ドルに達しました。これは、AIおよび高性能コンピューティング(HPC)チップの需要急増により、先端ノード(3nm、4/5nm)や先端パッケージング(CoWoSなど)への需要が高まったことが主な要因です。

従来のファウンドリー(ファウンドリー1.0)は、主にチップ製造に焦点を当ててきましたが、現在の業界の変化を捉えるには不十分となっています。現在、半導体業界はAIトレンドとそれに伴うシステムレベルでの最適化によって推進されており、企業は製造ラインの一部から、より包括的な技術統合プラットフォームへの移行を進めています。この変化により、垂直統合の強化、イノベーションの加速、そしてより深い価値創出が実現されています。

そのため、ファウンドリー2.0には、純粋なファウンドリー、非メモリIDM、OSAT、フォトマスク製造ベンダーが含まれます。一方、ファウンドリー1.0では、純粋なファウンドリープレーヤーのみを対象としています。

市場動向の詳細

  • 半導体ファウンドリー市場の売上高は、AIおよびHPCチップの需要により、2025年第1四半期に前年同期比13%増の720億ドルに達しました。
  • TSMCは、3nm/4nmの先端プロセス技術と高度なパッケージング技術を武器に、2025年第1四半期に市場シェア35%を獲得し、優位性を一層強化しました。同社の技術は、業界全体の成長率を大きく上回っています。
  • OSATの成長率は7%と依然として控えめですが、ASE、SPIL、AmkorはAI向け先端パッケージングの波及効果による恩恵を受けています。
  • 一方、NXP、インフィニオン、ルネサスなどの非メモリIDMは、自動車および産業機器向け需要の低迷により、全体で前年比3%の減収となっています。ただし、フォトマスクセグメントは堅調に推移しています。

 

専門家の解説

カウンターポイント・リサーチのアソシエイトディレクター、ブレイディ・ワンは以下のように述べています。
「TSMCは市場シェアを35%に拡大し、最先端プロセスにおける強力なポジションとAIチップの大量受注により、前年比30%台半ばの売上成長を達成しました。これにより市場をリードしています。IntelとSamsung Foundryもそれに続いており、Intelは18AおよびFoverosにより勢いを増しています。一方、Samsungは3nm GAAの開発を進めているものの、歩留まりの課題に直面しています。」

また、OSATベンダーも重要な役割を果たしています。ASE、SPIL、Amkorは先端パッケージング能力を拡充しており、2025年第1四半期には前年比約7%の成長が見込まれています。これらの企業は、TSMCのAI関連CoWoSに対する高い需要から恩恵を受けていますが、歩留まりと生産規模に関する課題は依然として存在しています。

非メモリIDMについては、NXP、インフィニオン、ルネサスなどが、自動車および産業用途における需要の低迷により、2025年第1四半期には収益が3%減少する見込みです。在庫の正常化が進んでいるものの、持続的な回復は2025年後半まで遅れる可能性があります。

一方で、フォトマスクベンダーは2nmノードにおけるEUVの採用や、AI・チップレット設計の複雑化に支えられており、堅調な成長が見込まれています。

 

市場の今後について

カウンターポイント・リサーチのウィリアム・リーは次のように述べています。
「AIの導入は依然として半導体業界の成長の中核を担っており、ファウンドリー・サプライチェーン全体の優先順位を再構築しています。TSMCや先端パッケージング企業がこの波の主要な受益者であることが改めて確認されました。今後、ファウンドリー2.0エコシステムは、直線的な製造モデルからシームレスに統合されたバリューチェーンへと進化していくでしょう。この変革により、設計、製造、先端パッケージングにおける相乗効果が高まり、AIやチップレット統合、システムレベルでの最適化が、半導体業界における競争力を再定義していくと考えられます。これは、まさにイノベーションの新時代の到来を示しています。」

カウンターポイント・リサーチについて

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