- 世界のTV市場の出荷は2023年に3%減少し、23億台となった。
- 米国市場の強さは、中国や欧州の低迷を補うには不十分だったといえる。
- Counterpoint Researchは、このたび世界のTV市場についても調査活動を開始した。初の、DSCCと共同での出荷調査となる。
- 高級TVの出荷は、中国での著しい成長にもかかわらず、1%減少した。
- 高級機セグメントは、米国と欧州の回復をうけて、2024年には一桁台半ばの成長となる見込みである。
Counterpoint Researchが提供するGlobal TV Shipment Trackerによれば、世界のTV出荷は2023年に3%減少し、2.23億だいになった。米国市場の強さは、中国や欧州市場の低迷を補うには不十分だった。Samsung Electronicsは首位を守っているが、中国メーカーのHisenseとTCLは米国市場の成長に乗っかり、一桁台半ばの伸びを示している。
Counterpoint Researchは、世界のTV出荷の調査活動を開始した。四半期ごとにGlobal TV Shipment Trackerを刊行する。ここには、地域、画面サイズ、解像度、平均売価(ASP)や他のパラメータで分類集計した情報が掲載される。この調査活動は、最近Counterpointが買収した、DSCCとの共同作業によるものである。DSCCは高級機セグメントに関して従来にない詳細なデータを提供し、そこにはOLED(QD-OLED 量子ドットOLEDを含む)、Mini/Micro LED、量子ドットLCDに係る最新ディスプレイ技術も含まれている。
「Counterpoint ResearchがGlobal TV Shipment Trackerを発行できることは、大変に喜ばしい。これは、市場や技術トレンド、さらには競合状況を分析評価するための、強力なツールだ。」と、Counterpoint ResearchのディレクターTom Kang氏は語る。さらに「これは、CounterpointとDSCCとの最初の協同作業であり、私たちが力を合わせると、両社の足し算を超えた掛け算の価値をクライアントの皆様にできることの、まさに実例だ。」と続けた。
出典:Counterpoint Research Global TV Shipment Tracker
注:丸め誤差のため数字を合計しても100%にならないことがある
2023年の高級TVセグメントの出荷は年間で1%落ち込んだが、そのシェアは10%に上昇した。これは中国において、このセグメントの出荷と売り上げが、それぞれ39%と49%増加したことによる。中国の主要メーカーがMiniLED搭載型LCD TV(訳注:バックライトに使用するLEDを従来よりも小型化し多数配置することで、液晶型の欠点であったコントラスト比や厚みを改善したもの。有機ELに並ぶ画質ながら、焼き付きなどの耐久性の問題がない。)に舵を切ったことと、積極的な値付けや販売プロモーションによって、このセグメントが大きく伸びた。世界の高級TVセグメントは米国と欧州の回復をうけて2024年は一桁台半ばの成長に反転すると見込まれる。
出典:Counterpoint Research Global TV Shipment Tracker
「画面サイズを大きくし、ASPを上げることで、今年の高級機セグメントは良くなるはずだ。」と、韓国のDSCCシニアディレクターCalvin Lee氏は語る。そして「米国と欧州の回復は確かに大きな要因だが、中国の状況からわかるように、機能と価格とがバランスが取れていることが、買い替え率を高めるうえでの重要なカギである。」と結んだ。
Team Counterpoint
Counterpoint Researchは若く急成長中の調査会社で、ハイテク業界の分析を得意としている。カバーする領域は、コネクテッド機器、消費者向けデジタル製品、ソフトウェアとアプリケーション、および関連分野のトピックスである。当社の調査チームがまとめて発行するレポートに加え、要望に合わせてカスタマイズしたレポートも提供している。また、セミナーやワークショップを企業向けに開催して好評を得ており、依頼があれば実施している。特に高精度の調査を必要とするプロジェクト向けには、コンサルティングやカスタマイズした調査活動も実施する。