2023.08.30| PR|

 

  • 2023年第2四半期の世界のスマートウォッチ出荷は、2四半期連続での前年割れを経て、前年同期比11%の増加となった。
  • この2年間で初めてHuaweiが第2位を獲得した。中国国内市場で前年同期比58%の急成長となったことが効いた。
  • インドが前年同期比70%もの目覚ましい伸びを記録する一方で、北米では9%の減少となった。

 

Counterpoint Researchが最近公表したGlobal Smartwatch Model Trackerによれば、世界のスマートウォッチ出荷は2023年第2四半期に前年同期比11%の成長となった。その前の2022年第4四半期と2023年第1四半期は前年割れしていた。インドでの出荷は前年同期比70%の急成長をみせており、これが世界市場のリバウンドの原動力となった。また、Huaweiが世界シェアにおいて第2位になったことに見られるように、競合状況に明らかな変化が起きている。

 

リサーチアナリストのWoojin Sonは以下のように述べた。

「Huaweiは2023年第2四半期に目覚ましい成長をとげ、過去2年間で初めて、四半期ごとの出荷において第2位を獲得した。中国を代表する企業である同社の成長は、技術面での取引禁止や国内市場の低迷を受けて、しばらく停滞が続いていた。中国市場の回復はいまだにスローではあるが、HuaweiはWatch 4シリーズなどのフラグシップ機種を第2四半期に積極的に市場に投入し、その結果2020年以来最高の四半期出荷となった。Huaweiがこの市場で復活を遂げようとする意志を感じる。この勢いがスマホなど他の商品にも波及するか、今後が注目される。」

 

スマートウォッチの世界トップ3社の出荷シェア 2023年第2四半期と2022年第2四半期の比較

出典:Counterpoint Global Smartwatch Model Shipment & Revenue Tracker, Q2 2023

 

市場のサマリー

  • Appleは2023年第2四半期に前年同期比10%の出荷減となった。この結果、第2四半期の出荷台数は、過去3年で初めて800万台を割り込んだ。Appleのシェアは2022年第2四半期の27%から22%へと低下している。
  • Huaweiは、出荷が58%と急成長し、これを受けて中国国内市場でのシェアも39%と大きく伸びた。この結果、同社は世界のスマートウォッチシェアのランキングで第2位を獲得した。また、特に500米ドル(約3万円)超の価格帯の高級機セグメントに大きな変化があった。中国におけるHuaweiの500米ドル超の価格帯におけるシェアは2023年第2四半期に52%となり、2022年の同時期にはほとんど存在感がなかったことを考えると、目覚ましい大躍進である。
  • インド企業のNoiseFire-Bolttは競争相手として存在感を増している。それぞれ前年同期比で86%と70%の成長をみせた。Noiseの商品では50米ドル(約7,300円)未満のセグメントが同社の出荷全体の98%をも占めている。NoiseのColorfit Iconシリーズは出荷全体の28%のシェアをもぎ取った。またFire-Bolttもコスパの良いスマートウォッチでシェアを大きく伸ばした。
  • Samsungは2023年第2四半期に前年同期比で19%の減少となった。同社は中国とインド市場で出荷を伸ばしたものの、主要市場である北米と欧州でそれぞれ前年同期比24%と13%の減少となった。

スマートウォッチの地域別出荷シェア 2023年第2四半期と2022年第2四半期の比較

出典:Counterpoint Global Smartwatch Model Shipment & Revenue Tracker, Q2 2023

 

地域別の出荷シェアでは、インド市場が34%で抜きんでており、これは前年より12%ポイントの増加である。2023年第2四半期におけるインドのスマートウォッチの出荷は、88%が50米ドル未満の機種であった。このセグメントを引っ張っているのがNoise、Fire-Boltt、boAtで、合わせてインドでの出荷全体の72%を占めている。

 

中国市場のシェアは、インド市場の急成長を受けて、低下することとなった。しかし出荷の絶対量は2022年第2四半期と比べて5%増加している。売上ベースでは、500米ドル超の製品がシェアを急拡大させ、中国市場において34%を占めるに至った。

 

北米では、2023年第2四半期の出荷は前年同期比9%減少した。しかし高級機種の好調が持続しており、売上ベースでは約3%の増加となっている。それでも世界のスマートウォッチ市場における北米のシェアは2022年第2四半期、2021年第2四半期のいずれと比べても、低下している。

 

 

【カウンターポイント社概要】

カウンターポイント社(英文名Counterpoint Research HK)はTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリスト陣はハイテク業界で長年の経験を積んだエキスパートである。

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