2024.09.06| PR|

 

世界のTV出荷は、2024年第2四半期に前年同期比3%伸びて5,600万台に達したとする最新調査を含むGlobal TV Trackerを、カウンターポイント・リサーチ・エイチ・ケー(英文名:Counterpoint Research HK、以下カウンターポイント社)とDSCC(英文名:Display Supply Chain Consultants, LLC)が共同で発表いたしました。これまでの4四半期連続での前年比割れから、成長に転じたことになります。地域別でみると、欧州市場はオリンピック需要をうけて13%伸びた一方、中国市場は成熟して足踏みが続いています。メーカー別では、Samsungが首位を守ったもののシェアは15%に低下し、第2位との差が縮まっています。激しい2位争いを演じてきたHisenseとTCLですが、今回は僅差でTCLが第2位を奪い返しました。LGは第4位でしたが、欧州市場での好調を受けて出荷台数は前年同期比8%伸びました。

 

出典:Global TV Shipments Quarterly Tracker, Q2 2024

 

カウンターポイントのアソシエイトディレクターSujeong Lim氏は、次のように述べています。

「TV市場が、パリ五輪を控えて、第2四半期にリバウンドすることは予想されていた。欧州の伸びが著しいが、中国と日本を除くアジアと中南米も、予想以上に好調だった。」

 

価格帯でみると、第2四半期の伸びを支えたのは、前年同期比で45%成長した高級TVの出荷です。Sonyを除くほとんどの主要メーカーが大きく業績を伸ばしました。なかでも中国のHisenseとTCLがリードし、その一方でSamsungの伸びは緩やかだったため、同社の高級TVセグメントにおけるシェアは初めて40%を下回りました。これを受けて、SamsungはOLED搭載機種のラインナップを強化し、高級TV市場における地位の再確立を目指しています。同社は、昨年の83インチモデルに続き、42インチと48インチでもLG DisplayのWOLEDパネルを採用したOLEDモデルを最近発売しました。

 

また、ミニLEDバックライト(光量を細かく調整できコントラストが高い)を搭載した機種は前年同期比69%と急成長し、初めてOLED機種を出荷台数で上回りました。これは中国メーカーが戦略的にOLEDよりミニLEDに重点を置いているためです。OLED TVは、出荷こそ前年同期比21%伸びて成長に転じたことを示しましたが、そのシェアは限られたままです。サイズについては、40インチ未満のTVの出荷は前年同期比7%減少し、40インチ以上のTVは増加しました。さらに、80インチを超えるカテゴリーは前年同期比29%もの伸びを示しています。DSCCのシニアディレクターCalvin Lea氏は次のように述べています。

「世界経済が減速傾向にあるなか、50インチで低価格で攻めた機種、それと、高級機ではミニLEDを使った液晶TVが、この先しばらく成長を続けられるだろう。」

出典:Global TV Shipments Quarterly Tracker, Q2 2024

 

 

【カウンターポイント社概要】

カウンターポイント社(英文名Counterpoint Research HK)はTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んでいる。

公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/