2024年上半期に世界の5G端末市場は前年同期比20%成長したとする調査結果を含むMarket Monitorを、カウンターポイント・リサーチ・エイチ・ケー(英文名:Counterpoint Research HK、以下カウンターポイント社)が発表いたしました。なかでもインドは初めて米国を抜き、中国に次ぐ第2位の5G端末市場に成長しました。

 

市場動向について、シニアアナリストのPrachr Singh氏は次のように述べています。

「5G端末の出荷は着実に伸びている。とくに、低価格セグメントで5G対応機が増えてきたので、このセグメントで新興国市場が急拡大している。インドは、上半期に米国を抜いて世界で2番目に大きな5G端末市場になった。Xiaomi、vivo、Samsungといったメーカーが低価格帯での出荷を伸ばしたことで、このセグメントが伸びている。他の新興国市場でも5G機種は急成長している。新興国の消費者は、同じ低価格帯セグメントの機種同士であっても、5G機種を、自分の手持ちの機種からのアップグレードと捉えている。カリブ・中南米(CALA)は最も速く成長しており、メキシコやブラジルなど主要国での好調によって前年同期比63%の成長になった。CALA地域の5G出荷シェアは2024年上半期に置いて6%に過ぎないが、世界全体の純増の14%を占めている。アジア太平洋地域は純増の63%を占めており、出荷全体のシェアでは58%となった。欧州および中東・アフリカ(MEA)でも、5G端末は二桁パーセントの成長をみせている。」

出典:Handset Shipment Forecast by OEM Region, Q2 2024

 

世界全体でみれば、iPhone 15シリーズも14シリーズも好調な出荷が続くAppleが5G端末の出荷でリードしており、25%以上のシェアを持っています。Galaxy AシリーズとS24シリーズが好調なSamsungがこれに次ぐ第2位で、21%のシェアです。AppleとSamsungはそれぞれ5G機種の2024年上半期トップ10ランキングに5機種ずつランクインさせており、Appleはその1位から4位までを獲得しています。インド事業が好調なXiaomiは第3位です。そのインドでXiaomiは三桁%もの成長率で、MEA、欧州、中国でも二桁%成長となっています。Vivoにおいてもインドは事業成長の原動力で、それに中国やアジアの新興国での伸びが加わっています。トップ10社のなかではMotorolaが最も速く成長しており、CALA、インド、MEA、北米市場で大きく伸びています。

 

5G出荷の足元の見通しについて、リサーチディレクターのTarun Pathak氏は次のように述べています。

「5G端末の、携帯端末全体に対するシェアは2024年上半期に54%と、初めて過半数を超えた。5G機種が低価格セグメントに普及し、5Gの通話エリアも拡大しているので、5Gはさらに一般的になる。だから5G率の増加トレンドはさらに加速する。加えて、世界中で高級機指向のトレンドがあるので、これも5G増加の追い風である。我々は、2024年中に5Gのシェアは57%に達し、2025年には65%になる、と予想している。」

 

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【カウンターポイント社概要】

カウンターポイント社(英文名Counterpoint Research HK)はTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んでいる。

公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/