• 世界のスマホ市場全体が通年で縮小との予測のなか、高級機(卸値で600米ドル、約8.7万円以上)の市場は2023年に前年比6%の成長が見込まれる。
  • Appleが高級機市場のリーダーであることは議論の余地がない。しかし、2022年と比べると同社のシェアは低下した。
  • 中国、インド、MEA(中東とアフリカ)、中南米では、2023年に高級機販売の記録が生まれそうである。特にインドは世界で最も高級機市場が急速に立ち上がっている市場である

 

Counterpoint Researchが提供する Market Pulse Service によれば、世界の高級スマホ(卸値で600米ドル、約8.7万円以上)の売上は2023年に前年比6%伸びて新記録になりそうだ。世界のスマホ市場が全体としては縮小の見込みなのとは、対照的である。高級機セグメントは世界のスマホの売上ベースでほぼ1/4を、また利益ベースでは60%を、2023年に獲得しそうである。ここ数年、高級機セグメントは、全体として弱含む市場の中で成長領域となっていた。

出典:Counterpoint Research’s Market Pulse Service
注:販売はここでは小売りベースの数字。2023年第4四半期は暫定推定値。

 

高級機市場の成長について、シニアアナリストのVarun Mishraは以下のようにコメントした。

「スマホ市場における消費者の購買パターンに変化が起きた。生活におけるスマホの重要性を認識した消費者は、お金を余分に支払ってでも、長く使える高級な端末を手にしようとしている。また、最新の最高級フラグシップ機種を持つことは、多くの消費者にとってステータスシンボルになっており、特に新興国市場では中位価格帯の機種から一気に高級機へと買い替える人が多い。加えて、各種のキャンペーンや支払いプランによって、こうした高級機は以前にもまして買いやすくなっている。」

Appleは、議論の余地なく、高級機市場のリーダーである。しかし、2022年と比較すると、同社のシェアは低下した。大きな要因は、中国市場においてHuaweiがMate 60シリーズで復活したことである。また、SamsungもS23と折り畳み型でシェアを伸ばした。その折り畳み型は高級機市場において差別化要素として認知されてきている。

 

出典:Counterpoint Research’s Market Pulse Service
注:2023年第4四半期は暫定推定値。

 

地域別にみると、2023年における世界の高級機市場の成長のほとんどは、中国、西欧、インド、中東とアフリカ(MEA)でのことである。実際、中国インド、MEA、それに中南米では高級機市場の販売記録が生まれそうであり、なかでもインドは世界の高級機市場において最速で成長している。

全体として、高級機セグメントは世界のスマホ市場全体の平均を上回る成長を続けるであろう。自社製品を差別化できることと、さらに重要な、強固なブランドの確立とが、このセグメントの成長を自社の利益に結び付ける重要なポイントとなる。

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弊社のData Section(四半期ごとに更新)におきましても、全世界米国中国インドについてまとめたスマホ市場のシェアを、ご覧いただけます。

Team Counterpoint

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