世界の折り畳み型スマートフォン市場が2024年第2四半期に前年同期比48%成長したとする調査結果を含む、最新のFoldable Smartphone Shipment Trackerを、カウンターポイント・リサーチ・エイチ・ケー(英文名:Counterpoint Research HK、以下カウンターポイント社)が発表いたしました。折り畳み型市場の拡大の先陣を切るのは相変わらず中国で、出荷全体の半分以上を占めています。とはいえ、他の地域でもこの四半期に市場が大きく成長しました。西欧、アジア太平洋地域(中国、インド、韓国を除く)、中南米では折り畳み型が大きく伸びています。これらの地域で中国メーカー各社、特にHONORとMotorolaの、折り畳み型の業績が好調なことが主要因です。

 

 

主要地域の中でも、西欧は2番目に大きな市場へと成長しました。HONOR、Samsung、Motorola、OPPO、OnePlus、そしてGoogleまでもがひしめく厳しい市場です。いまや西欧は中国以外では最も多様な折り畳み型のブランドが入り乱れている状態です。そして、これらのブランドによる激化する競争こそが、この地域での市場の成長につながっています。特筆すべきは、2024年第2四半期にHONORがSamsungを初めて抜いて西欧における首位を獲得したことです。これで同地域での競合の状況が大きく変わりました。

 

HONORは欧州とアジア太平洋地域に積極攻勢をかけており、2024年第2四半期の同社の世界全体への折り畳み型の出荷は前年同期比で455%も増加しました。前年同期比で他のどのメーカーよりも大きく伸びたことになります。HONORは、折りたたんだ状態での厚さが10mmを切る超薄型のMagic V2で、中国国外市場を攻めています。2024年第2四半期には、HONORのMagic V2は、Huaweiが市場を支配している中国以外では、最も多く出荷されたブック型となりました。

 

Motorolaは北米と中南米で、折り畳み型として最大のシェアを獲得しました。中南米の折り畳み型市場は、Motorola Razr40シリーズの好調をうけて、前年同期比485%と急成長しています。中国メーカーの中で最も多くの地域をカバーし事業展開している同社は、欧州、アジアなどで出荷を大きく増やしています。Motorolaの2024年第2四半期における世界全体の出荷は、前年同期比3桁の成長をみせています。

 

中国国外の折り畳み市場は、これまでほぼSamsungの独壇場でしたが、今や各社がひしめく厳しい市場となっています。ともに2024年上半期に市場で大成功を収めたHONOR、Motorolaは、それぞれ次機種であるMagic V3とRazr 50シリーズを、すでに市場に投入しています。Xiaomiとvivoも、今年は中国国外で折り畳み型の販売を始めます。Samsungは新機種Z6シリーズを2024年第3四半期に発売し、世界の首位の座を取り戻すとみられますが、それでも競争激化の結果、市場シェアは前年を大きく下回ることになりそうです。

 

 

【カウンターポイント社概要】

カウンターポイント社(英文名Counterpoint Research HK)はTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んでいる。

公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/