2025.07.06| PR|

2025年第1四半期の世界スマートウォッチ出荷台数は前年比2%減、中国市場は堅調に成長

【ソウル、北京、ブエノスアイレス、フォートコリンズ、香港、ロンドン、ニューデリー、台北、東京 – 2025年7月3日】

カウンターポイント・リサーチが発表した「2025年第1四半期 グローバルスマートウォッチ出荷トラッカー」によりますと、世界のスマートウォッチ出荷台数は前年同期比2%減となり、5四半期連続で減少しました。インド市場の成長鈍化とApple製品の出荷減少が主要因となりました。一方で、中国市場の急成長やキッズ向けスマートウォッチの拡大が全体の落ち込みを一部相殺しました。

Global Smartwatch Shipments by OEM Share, Q1 2025 vs Q1 2024

主なポイント
・2025年第1四半期の世界スマートウォッチ出荷台数は、前年比2%減となりました。

・中国市場は前年比37%の成長を記録し、HuaweiやXiaomiが牽引しました。

・中価格帯(100~200ドル)のスマートウォッチは前年比21%増と堅調でした。

・キッズ向けスマートウォッチは引き続き成長を維持し、Imooが主導しています。

・市場は2025年通年で前年比3%の回復が見込まれています。

市場概況
世界全体では減少傾向が続く中、中国市場は好調を維持し、出荷台数は前年比37%増と大きく成長しました。Huawei、Imoo、Xiaomiなどの現地ブランドが、価格競争力と多様な製品ラインナップを武器にシェアを伸ばしました。

Appleは6四半期連続で出荷が前年割れとなりましたが、iOSエコシステムの強みに支えられてトップシェアを維持しています。Samsungは旧モデル中心のラインナップが影響し、前年同期比で18%減となりました。

中価格帯のスマートウォッチ(100〜200ドル)は、健康・フィットネス機能の強化を背景に出荷台数が21%増加しました。これに対し、エントリーモデル(100ドル未満)は17%減となり、品質と信頼性を求める消費者の志向が浮き彫りになりました。

 

Global Smartwatch Shipments by Region Share, Q1 2025 vs Q1 2024

専門家の解説
シニアリサーチアナリストのアンシカ・ジェインは、次のように述べています。

「中国では、Huawei、Imoo、Xiaomiが牽引し、出荷台数が前年比37%増と大きく成長しました。これらのブランドは、愛国心に基づくブランドロイヤルティ、政府の支援、幅広い価格帯の製品展開を活かして、国内外での影響力を拡大しています。」

リサーチアナリストのバルビル・シンは、価格帯別の変化について次のように分析しています。

「消費者はより高い品質や機能を求めており、中価格帯の出荷台数が増えています。エントリーモデルの出荷が減少している背景には、より高精度な健康管理機能やエコシステムとの連携を求める意識の高まりがあります。」

さらにキッズ市場について、シン氏は次のように述べています。

キッズ向けスマートウォッチ市場は堅調に拡大しています。Imooは、手頃な価格と充実した機能でリーダーとしての地位を維持しています。保護者の間では、子どもの位置情報管理やスマートフォン導入を遅らせる手段として、キッズ向けデバイスのニーズが高まっています。」

市場見通し
2025年通年では、スマートウォッチ市場は前年比3%の成長が見込まれています。今後は、AI機能や次世代ヘルスセンサーの搭載による製品の高度化が進むとともに、一部製品は医療機器としての認証取得も視野に入れており、活用の幅が広がっています。

加えて、消費者の関心は「目新しさ」から「機能性」「長期的価値」「他デバイスとの連携」へとシフトしており、プレミアムセグメントへの移行が進んでいます。この動きは、スマートウォッチの役割が日常の健康管理から医療や生産性の向上にまで広がっていることを反映しています。

カウンターポイント・リサーチについて
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当社は、世界中の主要なイノベーション・ハブ、製造拠点、商業都市に拠点を構え、スマートフォンOEM、チップメーカー、チャネル企業、大手テクノロジー企業などに対し幅広い調査・分析サービスを提供しています。

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