2025.07.08| PR|

 

 

2025年第2四半期の中国スマートフォン販売台数:HuaweiとAppleが市場を牽引し、前年比でわずかに増加

【北京、ベルリン、ブエノスアイレス、フォートコリンズ、香港、ロンドン、ニューデリー、ソウル、台北、東京 – 2025年7月3日】

カウンターポイント・リサーチの最新の「中国スマートフォン週間売上トラッカー(速報値)」によりますと、2025年第2四半期の中国スマートフォン販売台数は、HuaweiとAppleの好調な業績に支えられ、前年同期比でわずかに増加する見込みです。政府補助金や主要セール期間中のプロモーションが両ブランドの売上を押し上げる結果となりました。

主なポイント
・2025年第2四半期の中国スマートフォン市場は、HuaweiとAppleの成長に支えられ、販売台数が前年同期比で微増となる見通しです。

・Huaweiは、主要ブランドの中で最も高い成長率を記録し、同四半期において中国市場でトップの座を獲得する見込みです。

・Appleは、iPhone 16 ProおよびPro Maxの販売好調により、1桁台後半の成長を記録すると予測されています。

・5月の政府補助金制度と積極的なプロモーション施策が、両ブランドの売上を大きく後押ししました。

・一方、618セール期間中の販売台数は前年並みにとどまり、年末商戦に向けた消費者マインドの冷え込みが懸念されます。

市場状況
Huaweiは第2四半期、中国市場で主要ブランドの中で最も高い成長率を達成し、販売台数で首位に立つと予想されています。特にMateシリーズやNovaシリーズなどの最新機種が好調で、コアユーザーによる買い替え需要の取り込みに成功しています。

Appleは、第2四半期のiPhone 16シリーズ、とくにProおよびPro Maxモデルの販売が堅調に推移しました。5月の価格調整と、618ショッピングフェスティバル直前のタイミングで実施された販促活動が奏功し、売上を押し上げる結果となりました。Appleは、618期間中に販売シェアでトップとなり、3機種のiPhoneがベストセラートップリストの上位半分を占めました。

618フェスティバル自体の売上は前年同期比で横ばいとなりましたが、5月中の早期販売プロモーションが売上の多くを占める構造に変化しており、これが全体成長の鍵を握りました。

China Smartphone Sell-through Share by OEM

Source: Counterpoint Research China Smartphone Weekly Sales Tracker
*Q2 2024: April 1 (Monday) to June 23 (Sunday); Q2 2025: April 1 (Tuesday) to June 22 (Sunday)

専門家の解説
アソシエイトディレクターのイーサン・チーは次のように述べています。

「Appleが5月にiPhoneの価格を調整したことは、618ショッピングフェスティバルの1週間前という絶好のタイミングで実施され、中国市場のユーザーから好意的に受け止められました。」

シニアアナリストのアイヴァン・ラムは、Huaweiの動向について次のようにコメントしています。

「Huaweiは、古い機種からの買い替えが進む中で、コアユーザーから高いブランド忠誠度を維持しています。これは同社の堅実な製品開発と、ブランドイメージの強化に支えられた成果です。」

シニアアナリストのメンメン・チャンは、今後の市場動向について警戒感を示しました。

「第2四半期の業績は、政府によるスマートフォン購入補助金プログラムに支えられてきましたが、この制度は年後半に縮小される見込みです。とくに直近のセールシーズンの売上が伸び悩んだ点を踏まえると、市場にとって一定のリスク要因となる可能性があります。」

China’s 2025 618 Sales Period Smartphone Sell-through

Source: Counterpoint Research China Smartphone Weekly Sell-Through Tracker
Note: Weeks 22 -25 dates:

Week 22 Week 23 Week 24 Week 25
2025: May 26 – June 1 June 2 – June 8 June 9 – June 15 June 16 – June 22
2024: May 27 – June 2 June 3 – June 9 June 10 – June 16 June 17 – June 23

 

 

市場見通し
中国スマートフォン市場は、政府支援施策や主要ブランドによる新機種投入が販売を下支えする一方で、消費者支出の抑制傾向や買い替えサイクルの長期化といった要因が重なり、今後も緩やかな回復が続くと見込まれます。

年後半には補助金の縮小や外部経済環境の影響も想定されており、各ブランドは独自のプロモーション戦略やエコシステム強化による差別化が求められる局面に差し掛かっています。

カウンターポイント・リサーチについて
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