カウンターポイントリサーチ (英文名: Counterpoint Research 以下、カウンターポイントリサーチ社)は、部材コストの急騰が需要に影響する可能性が高いことから、スマートフォングローバル市場における出荷量は、2026年に前年比2.1%減少する見込みであるという市場予測を含むGlobal Smartphone Shipment Tracker and Forecastによる最新調査を発表致しました。
図1: 主要OEM別2026年スマートフォングローバル市場シェアと前年比成長率・予測

出典: カウンターポイントリサーチ社Global Smartphone Shipment Tracker and Forecast, Dec 2025 Update.
※四捨五入のため、合計が100%にならない可能性があります
この2.1%の減少は、カウンターポイントリサーチ社の2026年スマートフォングローバル市場における予測を2.6ポイント下方修正し、その中でもHONOR、OPPO、vivoといった主要中国OEMは、従来の数値から乖離が最も大きくなると予測されます。
図2: 2026年スマートフォン出荷の前年比成長率予測と修正内容

出典: カウンターポイントリサーチ社 Counterpoint Research Global Smartphone Shipment Tracker and Forecast
※New(新規予測): 2025年12月版・Old(旧予測): 2025年11月
カウンターポイントリサーチ社リサーチディレクターMS Hwang氏は次の通り述べています。
「現在、最も深刻な影響を受けているのは200ドル未満のローエンド市場で、スマートフォンのBoM(Bill of Materials)は年初から20~30%上昇しています。一方、ミドル~ハイエンドのセグメントにおいても10~15%の価格上昇が見られます。」
また、カウンターポイントリサーチ社の最新調査「Memory Solutions for GenAI」によると、メモリ価格は2026年第2四半期までにさらに40%上昇する可能性があり、これによりBoMコストは、既に高止まりしている現状水準からさらに8%~15%超上昇する可能性があります。
カウンターポイントリサーチ社シニアアナリストYang Wang氏は次の通りコメントしています。
「低価格帯機種では、スマートフォンの急激な値上げは持続可能ではありません。さらにコストを価格へ転嫁できない場合、OEMは製品ポートフォリオの一部を整理し始めると見られます。実際、ローエンドSKUの出荷量が大幅に減少している兆候が見え始めています。」
コスト転嫁とポートフォリオ再編の結果、カウンターポイントリサーチ社は平均販売価格(ASP)も来年6.9%上昇すると予測しており、これは2025年9月に公表した従来のASP予測である3.9%から上方修正としています。
供給不足を乗り切れる可能性が高いスマートフォンメーカーは、規模、幅広い製品ポートフォリオ(特にハイエンド)、そして強固な垂直統合を備えた企業になると見られます。Wang氏は続けて次の通り述べています。
「今後数四半期は、AppleとSamsungが最も有利な立場にあります。一方で、市場シェアと利益率のバランスを調整する余地が小さいメーカーにとっては厳しい局面となる。特に中国OEMは、年が進むにつれてその影響が顕在化していくと見ています。」
これらのプレイヤーでは、リスク低減策として、仕様の引き下げによるダウングレードなどがこの数カ月で一段と増えています。カウンターポイントリサーチ社シニアアナリストShenghao Bai氏は次の通り述べています。
「一部モデルでは、カメラモジュールやペリスコープ構成、ディスプレイ、オーディオ部品、そして、もちろんメモリ構成といったコンポーネントのダウングレードが見られます。その他の方法では、旧部品の再利用、ポートフォリオの簡素化、消費者を高い仕様である『Pro』機種への誘導、さらには、買い替えを促進する新しいデザインの採用などが挙げられます。」
本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://counterpointresearch.com/en/reports/market-outlook-smartphone-shipment-and-asp-forecast-by-oem-region-dec-2025
今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。 (調査時期:2025年10月1日~2025年12月16日)
【カウンターポイントリサーチ社概要】
テクノロジーエコシステム全体にわたる製品を専門とするグローバル市場調査会社です。世界の主要なイノベーションハブ、製造クラスター、商業センターに拠点を構え、スマートフォンOEM、チップメーカー、チャネル企業、大手テクノロジー企業など、幅広いクライアント様にサービスを提供しています。経験豊富な専門家が率いる当社のアナリストチームは、経営幹部から戦略、アナリストリレーション(AR)、市場情報(MI)、ビジネスインテリジェンス(BI)、製品・マーケティングの各分野のプロフェッショナルまで、企業全体のステークホルダーと連携し、市場データ、業界のソートリーダーシップ、コンサルティングといった幅広いサービスを提供しています。
公式ウェブサイト: https://japan.counterpointresearch.com/