カウンターポイントリサーチ (英文名: Counterpoint Research 以下、カウンターポイントリサーチ社)は、先進運転支援システム(ADAS)および自動運転車のグローバル普及率は、2025年の66%から2035年には94%へ拡大する見通しであるという市場予測を含むGlobal ADAS and Autonomous Vehicle Forecast, 2025による最新調査を発表致しました。
図: SAEレベル別 世界のADASおよび自動運転車販売予測

出典:カウンターポイントリサーチ社Global ADAS and Autonomous Vehicle Forecast, 2025
カウンターポイントリサーチ社の最新調査Global ADAS and Autonomous Vehicle Forecast, 2025によれば、先進運転支援システム(ADAS: Advanced Driver Assistance Systems)および自動運転車のグローバル普及率は、2025年の66%から2035年には94%へ拡大する見通しであり、このうちLevel 2システムの普及率は2035年までに65%に達すると予測されています。一方で、より高度な自動運転への進み方には地域差が出始めています。複数の主要グローバルOEMが、コストや複雑性を抑えるためにマス市場向けではLevel 2+へ軸足を移す一方、米国と中国はLevel 3展開の新たな先行市場として台頭しています。なお、2030年までのLevel 4車両の成長は、主としてロボタクシーの導入拡大によって支えられる見込みです。
かつて業界では、Level 3の「アイズオフ」自動運転に向けた動きが強まっていましたが、現在では、より拡張性がありコスト効率にも優れた運転支援機能に重点が置かれるようになっています。高度なドライバーモニタリング、一定条件下でのハンズフリー機能、強化されたセンサーフュージョンを組み合わせたLevel 2+システムは、短中期的に見て最も商業性の高いソリューションとして存在感を強めています。Mercedes-BenzとBMW(いずれもLevel 3開発の先駆者)、Stellantis、Hondaを含むOEM各社は、より広範なLevel 3展開よりもLevel 2+システムを優先する方向へと製品ロードマップを見直しています。
L2+からL3への移行には、センサー、演算処理、システム検証における冗長性強化のための追加投資が必要になる他、規制面・法的責任面での複雑さも増すという実務上の制約があります。そのため、自動車メーカー各社は、完全な「アイズオフ」を伴わずに、運転者の利便性を明確に高められるソリューションに注力しています。カウンターポイントリサーチ社シニアアナリストMurtuza Aliは次の通り述べています。
「自動車メーカー各社は、ブレークスルーを狙う局面ではなく、最適化の局面に入っています。Level 2+システムは、機能性、コスト、拡張性のバランスが最も取れた解として有効性を示しています。多くのOEMにとって、Level 3への一段の移行は、検証負荷や責任面で重い負担を伴い、プレミアムセグメント車以外では正当化が難しいものとなっています。」
複数のグローバルOEMが慎重な姿勢を取る一方、Level 3開発は特定市場で再び勢いを増しており、特に規制整備と用途適合性の面で条件が整いやすい米国と中国がその中心となっています。米国では、FordとGeneral Motorsの両社が、この10年のうちにLevel 3対応車を投入する計画を示しており、新世代プラットフォームへの「アイズオフ」機能の組み込みに注力しています。
中国では、政府がLevel 3の試験運行および公道での認可に向けた許可発行を開始しています。ChanganやBAIC(Arcfox)などの国内OEMは、既に北京や重慶でのパイロットプログラムに参加しています。中国では高速道路網が広く整備されている上、高速走行時の交通パターンも比較的構造化されており、密集した都市部走行に比べて複雑性が低いため、高速道路でのLevel 3運転に適した条件が整っています。カウンターポイントリサーチ社リサーチディレクターPeter Richardsonは次の通り述べています。
「中国のLevel 3展開は、高速道路走行のような明確に定義されたユースケースに焦点を当てており、そうした場面では技術がすぐに価値を発揮できます。規制の明確化が進む中で、中国は他の多くの地域に先んじて、Level 3運転を試験段階から初期商用化へ移行できる有利な立場にあります。」
Level 4自動運転車の最初の導入波を牽引するのはロボタクシーサービスであり、2030年までに複数プレイヤーによる大規模フリート展開が進む見通しです。Waymo、Tesla、Baidu(Apollo Go)、WeRide、Pony.aiといった企業は、既に米国、中国、中東、そして2026年後半には欧州でも、地理的に限定したロボタクシーフリートの拡大を進めています。2030年以降は、ロボタクシーフリートは数百都市へとさらに広がり、2035年までに人間が運転するライドシェア/配車車両から大きな市場シェアを奪うことでしょう。
これに対し、個人向けのLevel 4乗用車は、ハードウェア冗長性の要件から購入価格が高くなるため、2030年以前に大きく普及する可能性は低いと考えられます。但し、一般車両や他の交通が混在する交通環境での運用であること、責任・保険面の課題、ハードウェアコスト低下といったハードルが解消されれば、(その一部はロボタクシー展開を通じて進むとみられる)2035年に向けてLevel 4の本格普及が進むと期待されます。Aliは次の通り述べています。
「ロボタクシーは、データ収集能力と高冗長ハードウェアを成立させるコスト面の優位性を通じて、Level 4実用化への準備を加速させることでしょう。一方で、個人向けLevel 4車両は、コスト低下と規制整備が進むにつれて、より緩やかに普及していくことになると考えられます。」
本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://counterpointresearch.com/en/reports/global-autonomous-vehicle-forecast-q2-2025
*本プレスリリースは2026年3月26日に発表されたプレスリリースの日本語版です。原文はこちらをご参照ください。
https://counterpointresearch.com/en/insights/Global-ADAS-Penetration-to-Reach-94-Percent-by-2035
今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。
【カウンターポイントリサーチ社概要】
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