世界の再生スマートフォンの売上は2024年に前年比で5%成長しました。この調査結果を含むSecondary Smartphone Market Reportを、カウンターポイント・リサーチ・エイチ・ケー(英文名:Counterpoint Research HK、以下カウンターポイント社)が発表しました。ちなみに、新品のスマートフォンは不調だった2023年からリバウンドし、前年比3%の成長です。とはいえ、ここ2~3年にわたって着実に各地域で成長してきた再生機市場は、2024年には成熟市場の様相をみせ、地域によっては市場の縮小さえみられます。
出典:Counterpoint Research Secondary Smartphone Market Report, 2024
注:丸め誤差のため数字の合計が100%にならないことがあります
Appleは、ほぼ一社で2024年の二次市場(再生機市場)の成長を支えています。2024年に売り上げが伸びたのはわずか数社だけだったので、同社のシェアは2023年の51%から翌年は56%へと増加しています。iPhoneを求めて、より多くの消費者が二次市場へと向かっています。シニアリサーチアナリストのGlen Cardoza氏は次のように述べています。
「今回のAppleの伸びは、ほぼ、古いiPhone 11や12シリーズによるものだ。iPhone 13や14シリーズも市場に時々出回ったが、たいていの消費者はこの世代のiPhoneを使い続けており、それが供給が減る結果になっている。このように、より新しいiPhoneの供給に支障があるため、世界の再生機市場のASP(平均売価)は2024年には394米ドル(約5.91万円)と、2023年の445米ドル(約6.67万円)から低下した。一方で、SamsungのASPは上昇している。フラグシップ機種Galaxy Sシリーズの人気が高まったからだ。もっとも同社の世界シェアそのものは低下している。」
「現状そのまま」で売られるスマートフォン、つまり清掃のみで、修理作業などを行わず、そのまま包装された商品、は前年比13%伸びた。Cardoza氏は、これについて次のようにコメントしています。
「スマホが丈夫になり、下取りに出すときの品質が上がっている。その分、修理・メンテの必要が減っている。加えて、スペアパーツの価格も修理作業の賃金も上昇しているから、マージンを確保するために中古品をそのまま売る業者が増えている。」
また、5Gスマートフォンの比率はメーカーを問わず急増しており、2024年には世界の再生機の42%に達しました。2023年の28%から大幅に増えています。第2四半期から第4四半期にかけてのiPhoneの下取りが少なく、中古市場で品薄になりました。もしそれがなかったなら、2024年の5Gのシェアはずっと高かったはずです。
再生機市場の見通しについて、アソシエイトディレクターJan Stryjak氏は次のように述べています。
「2024年の再生機市場は、供給が少なく、横ばいだった。だが、コロナ禍後の2020年から2022年にかけての、いわゆるリベンジ消費で購入したスマホの買い替えを考える消費者が増えるだろうから、2025年は回復すると思う。二次市場での在庫の戦略的な管理が大事になるので、新興国市場での商売が増えるのではないか。」
【カウンターポイントリサーチ社概要】
カウンターポイントリサーチ社(英文名Counterpoint Research HK)はTNT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化したグ
ローバルな調査会社です。主要なテクノロジー企業や金融系企業に、モバイル、車載、AIなどハイテク市場についての週次・月次・四半期毎に、市場データ、個別プロジェクト、詳細な分析レポートを提供しています。また、ハイテク業界で経験を積んだエキスパートが当社のアナリスト陣を構成しています。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/