- スマホのランキングの2023年におけるトップ10が、合わせて過去最高の20%のシェアとなった。2022年の19%から、さらに伸びた。
- AppleのiPhone 14が2023年通年のベストセラースマホで、iPhone 15 Pro Maxが2023年第4四半期におけるベストセラースマホであった。
- トップ10に名前を連ねるのは、AppleとSamsungだけであった。
Counterpoint Researchが提供するGlobal Monthly Handset Model Sales Trackerによれば、2023年における世界のベストセラースマホの、トップ7位までを独占した。同社として初めての快挙である。Samsungはトップ10の残り3席を確保し、2022年からひとつ席を増やした。2021年以来、他社はランキングに登場していない。トップ10機種を合わせたシェアは2023年に過去最高の20%に達し、2022年の19%からさらにシェアを伸ばした。
出処: Global Monthly Handset Model Sales Tracker
AppleのiPhone 14は2023年通年でのベストセラー機種で、その半分は米国と中国で売れた。とはいえ、この機種が2023年のiPhone販売全体に占める割合は19%で、2022年のベストセラー機種であったiPhone 13のシェア28%と比べると減っている。iPhone 13とiPhone 14の差が少なく、その結果iPhone 14のベース機種はあまり売れず、一方でiPhone Proシリーズはよく売れた。ダイナミック・アイランド(訳注:iPhone 14 からPro以上の機種に搭載された、カメラのパンチホール周辺への表示機能)、高性能チップセット、高いディスプレイのリフレッシュレートと、Proの優位性が目立ったからである。また、iPhone 15は2023年第4四半期に関しては世界のベストセラーのトップ3位までを独占し、なかでもiPhone 15 Pro Maxがベストセラーとなった。
他の主要な競合が売り上げを下げるなか、2023年のAppleの売上は横ばいで収まった。堅調な数字になった要因のひとつは、インド、中東とアフリカ(MEA)などの新興国市場における好調な業績である。例えば、インドは2023年に単年で1,000万台のiPhoneを売り上げ、世界第5位のスマホ市場となっており、Appleにとっての重要性が増している。結果として、iPhone 15シリーズの売上は2022年のiPhone 14シリーズのそれと肩を並べるレベルとなった。
ランキングに登場した中では最古参のiPhone 13は、日本とインドで台数が前年比二桁%の成長となって、第4位を維持する結果となった。キャリアの販売プロモーションの結果、日本では新型機種より旧型機が売れる現象が起きた。またインドではiPhone 13のコスパから人気機種になった。
Samsungの値ごろ価格帯のスマホAシリーズはトップ10に3機種がランクインした。コスパに優れているうえに、多くの地域・多くの顧客層で強いプレゼンスがあるからである。Samsung Galaxy A14 5Gは米国とインドでの販売が好調で第8位になった。特に、インドではこの機種が2023年のベストセラーであった。ランクインした中で唯一のLTE対応スマホであるSamsung Galaxy A04eとA14 4Gは、トップ10の残りの2席を確保した。ブラジル、インド、メキシコ、インドネシアなどの新興市場で、価格の安さから販売が伸びたためである。
2024年のトップ10ベストセラースマホは、スマホ売上全体の中でさらに大きな割合を占めると予想される。メーカー各社が製品ポートフォリオを絞っているからである。さらに、中国メーカーのランクインも予想される。また、各社が5Gのみの機種を増やしていることから、2024年のトップ10は5Gのみ対応の機種だけになるかもしれない。
Team Counterpoint
Counterpoint Researchは若く急成長中の調査会社で、ハイテク業界の分析を得意としている。カバーする領域は、コネクテッド機器、消費者向けデジタル製品、ソフトウェアとアプリケーション、および関連分野のトピックスである。当社の調査チームがまとめて発行するレポートに加え、要望に合わせてカスタマイズしたレポートも提供している。また、セミナーやワークショップを企業向けに開催して好評を得ており、依頼があれば実施している。特に高精度の調査を必要とするプロジェクト向けには、コンサルティングやカスタマイズした調査活動も実施する。