カウンターポイントリサーチ (英文名: Counterpoint Research 以下、カウンターポイントリサーチ社)は、カスタムAIサーバーインフラにおけるホストCPU層では、x86アーキテクチャが徐々に独自設計のArmベースへと置き換わりつつあるという静かではあるものの構造的な変化が進行しており、ArmベースCPUが2025年の約25%から2029年には少なくとも90%を占めるという市場予測を含むData Center AI Server Compute ASICs Shipment Forecast and Trackerによる最新調査を発表致しました。


カウンターポイントリサーチ社のHPC Serviceによる最新調査Data Center AI Server Compute ASICs Shipment Forecast and Trackerによると、カスタムAIサーバーインフラにおけるホストCPU層では、x86アーキテクチャが徐々に独自設計のArmベースへと置き換わりつつあるという静かではあるものの構造的な変化が進行しています。

AIインフラを巡る世間の議論は、ほぼアクセラレーターの出荷に集中してきました。しかし、私たちがGoogle、AWS、Microsoft、Metaなど主要ハイパースケーラーにおけるホストCPUの装着率をボトムアップで調査した結果、それとは並行して、見過ごされがちなもう一つの需要シフトが進んでいることが明らかになりました。

過去3年間、AIインフラ向けアクセラレーター導入におけるCPU装着率では、x86ベースCPUが主流を占めてきました。主要ハイパースケーラーは、ソフトウェア互換性の要件や既存データセンター基盤を背景に、現行世代までのASICサーバー導入において、IntelやAMDのプロセッサーをホストCPUとして採用してきました。しかし、この成長市場において、セミカスタムAIアクセラレーターやXPUが牽引するヘテロジニアスアーキテクチャへのニーズの高まりを受け、Arm NeoverseコアをベースとしたArm系サーバーCPUの採用が、さらに強く押し進められています。

この動きは、ハイパースケーラーにとって本質的にはコストと効率に基づくものです。AIアクセラレーターと並行して自社製のホストプロセッサーを設計することで、ハイパースケーラーは調達先の多様化、汎用シリコンベンダーへの依存低減、大規模展開におけるマージンの取り戻し、そしてトークンコストの引き下げを狙っています。その結果、AIサーバープログラム向けの設計に先駆けて、独自のArm CPUはまず汎用クラウドワークロード向けに投入されるようになりました。ArmベースCPUは、同等のx86ラック構成と比べて最大2倍の性能電力効率を示しており、これは固定された電力枠の中で計算密度を最大化したいハイパースケーラーにとって決定的な利点となっています。

この傾向に関して、カウンターポイントリサーチ社リサーチアソシエイトDavid Wuは次の通り述べています。
「現在のAIサーバーインフラでは、x86アーキテクチャが依然として大きな存在感を保っていますが、我々の世代ごとの分析を見ると、この既存の優位性は急速に独自Armベース設計へ移行しつつあります。このシフトは2026年後半にさらに加速すると見ています。どのハイパースケーラーが、どのASIC世代でx86からArmへ移行しているのかを把握することが、実践的なインサイトに繋がることでしょう。」

 

AIハイパースケーラー全体で広がるArmベースCPU

Googleでは、次世代TPUインフラにおけるArmベースCPUであるAxionの立ち上がりが、この移行の中でも最も重要な単一イベントとして際立っています。これは、ArmベースCPUが大規模なAIインフラ展開に対応できる段階に入ったことを示すシグナルでもあります。

AWSも同様に、Trainiumの世代更新を重ねる中で方針を変化させており、後方互換性のために一部ではx86を維持しつつも、高密度構成ではArmベースのGravitonプロセッサーが果たす役割を拡大しています。

GoogleやAWS以外においても、Armへの移行はハイパースケーラー全体に広がりつつあります。Microsoftは当初から、Azure Cobalt Arm CPUをMaia AIアクセラレーター群と組み合わせています。

 

Arm AGI CPUの登場

さらに、Metaが次世代MTIAインフラにおける戦略的CPUパートナーとしてArmを採用したことを最近明らかにし、MetaがArm初のAGI CPUのローンチ顧客に指名されたことは、汎用x86からの移行が単発の設計判断ではなく、業界全体として意図的に進められている方向性であることをより明確にしています。

カウンターポイントリサーチ社リサーチヴァイスプレジデントNeil Shahは次の通り述べている。
「AIサーバーにおけるx86からArmへの移行は、一度に切り替わるものではありません。世代ごと、構成ごとに進行しています。ハイパースケーラーは、自社の具体的な導入ニーズに応じて慎重に判断し、互換性と相互運用性のあるソフトウェアを整備しながら進めています。そして、その経済性は非常に魅力的です。この移行は、主要ハイパースケーラー全体で次世代ASICプラットフォームと並行して自社製Arm CPUの展開が進むことにより、2026年後半から大きく加速するとみられます。」

Neil Shahはさらに次の通り付け加えています。
「私たちの分析では、カスタムAI ASICサーバーにおけるホストCPU導入のうち、ArmベースCPUが2025年の約25%から2029年には少なくとも90%を占めると予測しています。これは、主要ハイパースケーラー全体で自社製Arm CPUプログラムの展開が加速することによって生じる構造的な変化です。」

 

図:AI ASICサーバーにおけるARM CPUシェア・2025年と2029年(予測)の比較

出典:カウンターポイントリサーチ社 HPC Service
※四捨五入により合計が100%にならない可能性があります

このシフトは、より広範な半導体サプライチェーンにも重要な意味合いを持ちます。ハイパースケーラーが先端プロセスノードで製造される自社製Arm CPUへ移行するにつれ、AIサーバーの増設は今後、TSMCのサプライチェーンにおいて、AIサーバー向けコンピュートASIC層とCPU層の双方に同時に需要を押し上げる要因となっていくことでしょう。

 

本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://counterpointresearch.com/en/reports/Global-AI-Server-Compute-ASIC-CPU-Attach-Shipment-Mar-2026

*本プレスリリースは2026年4月1日に発表されたプレスリリースの日本語版です。原文はこちらをご参照ください。
https://counterpointresearch.com/en/insights/Arm-based-CPUs-to-Capture-90-of-AI-ASIC-Server-CPU%20-Market-by-2029

今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。

【カウンターポイントリサーチ社概要】
テクノロジーエコシステム全体にわたる製品を専門とするグローバル市場調査会社です。世界の主要なイノベーションハブ、製造クラスター、商業センターに拠点を構え、スマートフォンOEM、チップメーカー、チャネル企業、大手テクノロジー企業など、幅広いクライアント様にサービスを提供しています。経験豊富な専門家が率いる当社のアナリストチームは、経営幹部から戦略、アナリストリレーション(AR)、市場情報(MI)、ビジネスインテリジェンス(BI)、製品・マーケティングの各分野のプロフェッショナルまで、企業全体のステークホルダーと連携し、市場データ、業界のソートリーダーシップ、コンサルティングといった幅広いサービスを提供しています。
公式ウェブサイト: https://japan.counterpointresearch.com/