カウンターポイントリサーチ (英文名: Counterpoint Research 以下、カウンターポイントリサーチ社)は、グローバルファウンドリー2.0市場の売上高は前年比16%増の3,200億ドルに達したという調査結果を含むFoundry Market Supply Trackerによる最新調査を発表致しました。
半導体業界は正式に「Foundry 2.0*」時代へと移行し、このFoundry 2.0の 製造、組立、検査の深い統合による新たなフェーズにて、世界的なAIブームを背景に収益性の高い成長が進んでいます。カウンターポイントリサーチの最新調査Foundry Market Supply Trackerによると、グローバルファウンドリー2.0市場の売上高は前年比16%増の3,200億ドルに達しました。
この2桁成長は主に、先端プロセス製造と先端パッケージングの両方にまたがって、AI GPUおよびAI ASICに対する需要が堅調に推移したことによるものです。TSMCのような専業ファウンドリがAI主導の成長を牽引し、主要OSATベンダーも波及的な受注増の恩恵を受けました。
図: ファウンドリー2.0市場におけるレベニューシェア・2025年

出典: カウンターポイントリサーチFoundry Tracker, March 2026
TSMC、SMIC、Nexchipが専業ファウンドリの成長を牽引
TSMCは引き続きFoundry 2.0市場の中核を担っていますが、2025年第4四半期の成長率は前年比25%となり、年初に見られた40%超の水準からは鈍化しました。これは、HPC分野での比較対象が高かったことや、民生需要における通常の季節性を踏まえれば、おおむね想定内でした。通年では、売上高は依然として前年比36%増と力強い成長を維持しました。
TSMCの業績と2026年の見通しに関して、カウンターポイントリサーチ社シニアアナリストJake Laiは次の通り述べています。
「さらに重要なのは、TSMCをめぐる議論の焦点が変わりつつあることです。もはや重要な論点は単なるウェハー生産能力ではなく、システムレベルでの統合です。前工程の微細化がより制約を受ける中で、ボトルネックはますます後工程へ移りつつあります。こうした状況において、先端パッケージング、特にCoWoSは重要な差別化要因となっており、2026年のTSMC業績を左右する主要変数の一つになる可能性が高いでしょう。」
全体として、TSMC以外の専業ファウンドリは2025年に前年比8%の穏やかな成長を達成しました。ここには、Samsungをはじめ、UMC、VIS、SMIC、Nexchip、GlobalFoundriesなどの主要プレイヤーが含まれます。
Samsungは良い面と課題が混在する1年となりましたが、主要な潜在顧客の一部が調達先の多様化を模索していることから、2026年はここから成長に向かう構えです。
Samsungの業績と見通しに関して、カウンターポイントリサーチ社リサーチディレクターTom Kangは次の通り述べています。
「4nmノードへの需要は比較的堅調で、これが価格改善を後押ししています。また、2nmの立ち上がりによって、特にAIやモバイル分野でより高付加価値な設計案件を獲得しやすくなるでしょう。数量面とASPの改善を合わせて見れば、Samsungが2026年に成長するのは確実だと考えられます。」
その他のプレイヤーでは、SMIC(前年比16%増)やNexchip(前年比24%増)といった中国系ファウンドリが、継続する国産化推進の追い風を受けて際立った存在となりました。この傾向は当面変わりそうになく、2026年も2桁成長は維持可能とみられます。
非メモリーIDMはTexas InstrumentsとInfineonに支えられて回復
半導体業界全体のサイクルも安定化しつつあります。非メモリーIDMは、在庫調整の最悪期をおおむね脱し、2025年下期には再び成長軌道へ戻りました。例えば、Texas Instrumentsは前年比13%増と2桁回復を記録し、Infineonも2025年に前年比5%増となりました。この回復は、2026年に向けた業界成長のより安定したベースラインになるとみられます。
OSAT市場は引き続き活況、TSMCやASEがCoWoSから2.5D/3Dまでの先端パッケージングを牽引
OSATセグメントは2025年に前年比10%成長し、先端パッケージングの力強さが続いていることを示しました。TSMCの社内能力が依然として逼迫しているため、ASE/SPILやAmkorといった企業が、特にAI関連アプリケーション向けの波及需要をますます吸収しています。
今後を見ると、CoWoS-SおよびCoWoS-Lは先端パッケージングのロードマップにおいて引き続き中核的な役割を果たす見通しです。TSMCの能力制約が続く中、AI関連顧客はOSATベンダーとの長期提携を通じて追加能力の確保を積極的に進めています。その結果、先端パッケージングの業界全体の能力は2026年に前年比およそ80%拡大する可能性があります。過去のサイクルと異なり、今回の成長はAIプラットフォーム(たとえばサーバー向けCPU、GPU、カスタムASIC)におけるシステムレベル需要に、より直接的に結びついており、OSAT各社にとってより持続的な拡大局面を支えると考えられます。
AI主導の先端パッケージング動向に関して、カウンターポイントリサーチ社シニアアナリストWilliam Liは次の通り述べています。
「先端パッケージングは、もはや単なる補完工程ではなく、AI導入を左右する制約要因になりつつあります。顧客が能力確保を急ぐ中、OSATベンダーは過去のサイクル以上に構造的に有利な立場にあり、成長の見通しも複数年にわたって見通せる状況です。」
*Foundry 2.0 (ファウンドリー2.0) に関して
従来の「Foundry 1.0」の定義、すなわちチップ製造のみに焦点を当てた枠組みでは、現在の業界動向を捉え切れなくなってきています。カウンターポイントリサーチ社のFoundry 2.0という定義では、専業ファウンドリ、非メモリーの垂直統合型半導体メーカー(IDM)、外部委託型の半導体組立・検査企業(OSAT)、そしてフォトマスクサプライヤーまで対象範囲を広げています。Foundry 2.0への移行は、従来の専業モデルから、より統合されたエコシステムへの緩やかなシフトを反映したものです。実務的には、設計・製造・パッケージングの連携がこれまで以上に緊密になることを意味し、最終的にはシステムレベルでの効率性と総保有コスト(TCO)の改善につながります。
本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://counterpointresearch.com/en/reports/Foundry-Market-Supply-Tracker-Q4-2025
*本プレスリリースは2026年3月30日に発表されたプレスリリースの日本語版です。原文はこちらをご参照ください。
https://counterpointresearch.com/en/insights/Global-Foundry-2.0-Market-Climb-to-a-Record-320-Billion-in-Revenues-in-2025
今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。
【カウンターポイントリサーチ社概要】
テクノロジーエコシステム全体にわたる製品を専門とするグローバル市場調査会社です。世界の主要なイノベーションハブ、製造クラスター、商業センターに拠点を構え、スマートフォンOEM、チップメーカー、チャネル企業、大手テクノロジー企業など、幅広いクライアント様にサービスを提供しています。経験豊富な専門家が率いる当社のアナリストチームは、経営幹部から戦略、アナリストリレーション(AR)、市場情報(MI)、ビジネスインテリジェンス(BI)、製品・マーケティングの各分野のプロフェッショナルまで、企業全体のステークホルダーと連携し、市場データ、業界のソートリーダーシップ、コンサルティングといった幅広いサービスを提供しています。
公式ウェブサイト: https://japan.counterpointresearch.com/