カウンターポイントリサーチ (英文名: Counterpoint Research 以下、カウンターポイントリサーチ)は、2026年第1四半期のグローバルFoundry 2.0市場における売上は前年比23%増の860億ドルに達したという調査結果を含むFoundry Market Supply Trackerによる最新調査を発表致しました。
カウンターポイントリサーチの最新調査Foundry Market Supply Trackerによると、2026年第1四半期のグローバルFoundry 2.0市場における売上は前年比23%増の860億ドルに達しました。この成長は、AI GPUおよびAI ASICに対する強い需要が主な要因であり、先端ノードのウェハー需要と先端パッケージングの稼働率の双方を押し上げました。TSMCはこのトレンドの最大の受益者であり続けている一方、AIサプライチェーン全体でパッケージングの生産能力がますます重要な制約となる中、主要な半導体組立・検査受託企業(OSAT)も追加的な事業機会を獲得しました。
AI投資サイクルは半導体バリューチェーンを再編しており、ウェハー製造、先端パッケージング、検査を統合することを特徴とするFoundry 2.0時代への移行を加速させています。AIシステムがより複雑になり、パッケージングへの依存度が高まる中、競争優位性はもはやプロセス技術だけで決まるものではなく、先端パッケージングとファウンドリーの生産能力を大規模に提供できる力によって左右されるようになっています。
図: Foundry 2.0市場売上シェア・2026年第1四半期

出典:カウンターポイントリサーチ Foundry Tracker, June 2026
専業ファウンドリーの売上成長はTSMCとSMICがけん引
TSMCは、AI主導の半導体アップサイクルにおける最大の受益者であり続け、2026年第1四半期の売上成長率は前年比41%へ加速しました。AI GPU、AI ASIC、先端パッケージングへの強い需要が、同社の最先端プロセスノードの稼働率を引き続き支えています。この勢いは年内を通じて維持されると見ており、TSMCの2026年通年売上は前年比約36%増になると予測しています。
TSMCの業績と見通しに関して、カウンターポイントリサーチのシニアアナリストWilliam Liは次の通り述べています。
「今回のサイクルで際立っているのは、AI需要の強さだけではなく、それがTSMCの事業運営戦略をどのように変えているかという点です。複数のファブに渡って前例のない生産能力の再配分が進んでおり、成熟ノードの生産能力を先端技術向けに転用する動きが強まっています。同時に、TSMCは従来の年次価格設定の枠組みとは異なる価格対応を採用しており、過去の半導体サイクルでも稀なほどの需要の強さを示しています。CoWoSの生産能力制約が続いていることも踏まえると、現在のAIブームは単なる循環的な上昇局面にとどまるものではありません。半導体業界全体における、より広範な構造転換を示していると考えています」
TSMC以外の専業ファウンドリーも、2026年第1四半期に前年比9%の緩やかな売上増を記録しました。中国のファウンドリーは、国内半導体の国産化需要と、8インチおよび12インチノードの双方における構造的なウェハー価格上昇の恩恵を引き続き受けました。その結果、SMICの売上は前年比12%増、Nexchipは同19%増となりました。こうした良好な業界環境は2026年を通じて続き、中国ファウンドリー各社の前四半期比での売上成長を支えると見ています。
UMCとVanguardも2026年第1四半期に堅調な業績を示し、それぞれ前年比10%増、14%増の売上成長を記録しました。両社は、民生機器需要の回復とPMIC市場の堅調さの恩恵を受けました。加えて、カウンターポイントリサーチでは、TSMCが成熟ノードの生産能力最適化を進める中、両ファウンドリーはTSMCで吸収しきれない受注を取り込む上で有利な位置にあると評価しています。
一方、MediaTekがGoogle TPU向けでより大きなシェアを確保していることに加え、その他のASIC関連機会も、ウェハー需要を押し上げる重要な要因となる可能性があります。受注規模が拡大するにつれ、先端ノードと先端パッケージングの双方で生産能力の制約が強まり、他のファウンドリー企業にとって追加的な機会が生まれると見られます。
カウンターポイントリサーチでは、この動きがIntel FoundryとSamsung Foundryの双方にとって大きな追い風になる可能性があると見ています。顧客が追加の供給元を求めているためです。Intelにとっては、需要の強まりが先端パッケージング技術の採用を加速させると共に、ファウンドリー事業の見通しをより明確にする可能性があります。Intel 18A-PでApple M7のような設計採用を獲得できれば、Intel Foundryに対する市場の信頼はさらに強まるでことしょう。
非メモリーIDMは、AIおよびデータセンター需要を背景に改善が継続
非メモリーIDMは、産業向け需要の改善に加え、AIおよびデータセンター向け電源管理分野への関与拡大を背景に、2026年第1四半期も回復を続けました。このグループに含まれる大半の企業が前年比で二桁成長を記録しており、中でもSTMicroelectronicsは前年比21%増と力強い伸びを示しました。
同セクターの回復は、2026年下半期にさらに勢いを増すと予想しています。産業市場の正常化とAIインフラへの継続的な投資が重なり、パワー、アナログ、車載向け需要をさらに支えると見込まれるためです。
AI主導の需要により、OSATは半導体サプライチェーン全体の重要なボトルネックに
OSATセクターは2026年第1四半期も堅調な勢いを維持しました。これは循環的な回復ではなく、AI主導の継続的な需要に支えられたものです。ASEは前年比18%の売上成長を記録し、2026年のLEAP先端パッケージング売上目標を、前四半期時点の32億ドルから35億ドル超へ引き上げました。
Amkorの売上は前年同期比25%増と大きく伸び、過去最高を記録しました。これは先端パッケージングラインの高い稼働率によるものです。同社経営陣は、2026年下半期のアリゾナ拠点の生産立ち上げを背景に、2026年のAI関連売上が3倍になると見込んでいます。両社の動きは、CoWoS供給が逼迫する中で、顧客による生産枠確保の動きが強まっていることを示しています。
実際、この強さはエコシステム全体に広がっていると私たちは見ています。TongfuはAMD向けAIパッケージングの生産立ち上げを背景に、前年比29%の売上成長を記録しました。KYECはAI向け検査のリードタイム長期化に支えられ、同45%増となりました。また、Powertechは主要顧客と共にFOPLP技術の開発を進めながら、他社の供給制約から流入する需要を取り込んでいます。
AI主導の先端パッケージングトレンドに関して、カウンターポイントリサーチのアソシエイトディレクターBrady Wangは次の通り述べています。
「先端パッケージングは、AI導入における重要なボトルネックになっています。OSATベンダーは現在、2026年第1四半期の堅調な業績と、エコシステム全体での積極的な生産能力拡大に支えられ、需要の見通しが改善し、より逼迫した需要環境の恩恵を受けています」
*Foundry 2.0について
従来の「Foundry 1.0」の定義は、チップ製造のみに焦点を当てたものでしたが、現在のセクター動向を捉えるにはもはや十分ではなく、カウンターポイントリサーチの「Foundry 2.0」の定義においては、専業ファウンドリー、非メモリーIDM、半導体の組立・検査を受託するOSAT企業、フォトマスクメーカーを含む形で対象範囲を拡張しています。Foundry 2.0への移行は、従来の専業ファウンドリーモデルから、より統合されたエコシステムへと徐々に移行していることを示しています。実務上、これは設計、製造、パッケージングの間でより緊密な連携が進むことを意味し、最終的にはシステムレベルでの効率向上と総保有コスト(TCO)の改善につながります。
本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://counterpointresearch.com/en/reports/foundry-market-supply-tracker-Q1-2026
*本プレスリリースは2026年6月26日に発表されたプレスリリースの日本語版です。原文はこちらをご参照ください。
https://counterpointresearch.com/en/insights/global-foundry-revenue-rises-q1-2-206-ai-demand
今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。
【カウンターポイントリサーチ概要】
テクノロジーエコシステム全体にわたる製品を専門とするグローバル市場調査会社です。世界の主要なイノベーションハブ、製造クラスター、商業センターに拠点を構え、スマートフォンOEM、チップメーカー、チャネル企業、大手テクノロジー企業など、幅広いクライアント様にサービスを提供しています。経験豊富な専門家が率いる当社のアナリストチームは、経営幹部から戦略、アナリストリレーション(AR)、市場情報(MI)、ビジネスインテリジェンス(BI)、製品・マーケティングの各分野のプロフェッショナルまで、企業全体のステークホルダーと連携し、市場データ、業界のソートリーダーシップ、コンサルティングといった幅広いサービスを提供しています。
主な調査領域には、AI、自動車、コンシューマーエレクトロニクス、ディスプレイ、eSIM、IoT、位置情報プラットフォーム、マクロ経済、製造、ネットワークおよびインフラ、半導体、スマートフォン、ウェアラブルを含みます。カウンターポイントリサーチの注力領域、アナリスト、対話の機会等におかれましては、Insightsページより一般公開市場データやインサイトをご確認ください。
公式ウェブサイト: https://japan.counterpointresearch.com/