カウンターポイントリサーチ (英文名: Counterpoint Research 以下、カウンターポイントリサーチ)は、WFEメーカー上位5社の売上高は2025年に前年比14%増の1,140億ドルとなり、装置売上とサービス売上の双方で2桁成長を記録したという調査結果を含むWafer Fab Equipment Trackerによる最新調査を発表致しました。


Wafer Fab Equipment(WFE:半導体製造装置)メーカー各社の売上高は、業界全体の力強さが続く中、2025年に合計で前年比12%増の1,430億ドルに達しました。成長の牽引は、AIインフラの大規模な構築により、最先端ロジック、高帯域幅メモリー(HBM)、先端パッケージング向け装置への需要が急増したことが挙げられます。カウンターポイントリサーチの最新調査Wafer Fab Equipment Trackerによると、WFEメーカー上位5社の売上高は2025年に前年比14%増の1,140億ドルとなり、装置売上とサービス売上の双方で2桁成長を記録しました。

図1: 装置メーカー別 2026年売上高予測 (10億ドル単位)

出典: カウンターポイントリサーチ Wafer Fab Equipment Tracker

 

2026年見通し:構造的なスーパーサイクルは継続

WFE業界は、引き続き構造的に力強いものになる見通しです。私たちは2026年に広範な上昇局面が到来し、売上高は前年比約11%増と予測しています。

  • 重点分野: 成長の中心は下期に偏る見通しで、リソグラフィ、エッチング、成膜、プロセス制御、先端パッケージングがその牽引役に
  • トレーリングエッジ: IoT、自動車、パワーセンサーなどの分野は横ばいの見込みに
  • リスク要因: 物理インフラ面のボトルネック、地政学的変化と輸出規制、2nm技術移行に伴う固有的な複雑さ、そして先端技術の立ち上がり時期が主なリスクに

 

2025年におけるWFEメーカー上位5社の主要業績指標・ファウンドリーの強みとメモリーの回復

ファウンドリー:
ファウンドリー分野の売上高は前年比8%増となり、2025年も業界最大の成長エンジンであり続け、純システム売上高の65%を占めました。この高い比率は、ファウンドリー顧客が、特にAIアクセラレーターや高性能コンピューティング向けの先端チップ生産拡大を支えるために、装置投資を大幅に増やしたことによるものです。

カウンターポイントリサーチの最新調査Foundry Market Supply Trackerによると、グローバルファウンドリー2.0市場の売上高は、AIブームを背景に2025年に前年比16%増の3,200億ドルに達しました。WFE売上高は、「ファウンドリー 2.0」時代への移行によって複数年にわたる押し上げ効果を受ける見通しです。この時代は、TSMCのような最先端ファブでのAI主導の力強い成長、SMICのような地域プレイヤーによる着実な拡大、そしてASE Groupが牽引する先端パッケージングの構造的急拡大によって特徴づけられる見込みです。これまでのサイクルが主にウェハーに連動していたことに対し、今後10年は、先端ノード、チップレットアーキテクチャ、そしてCoWoSや2.5D/3Dといったパッケージングの複雑化により、1チップ当たりの装置集約度が高まる見通しです。カウンターポイントリサーチのGlobal Smartphone SoC Shipments Forecast by Vendor by Nodeによると、先端ノード(5nm以下)の出荷シェアは2025年に50%を超えました。これにより、WFE需要は前工程偏重のものから、よりバランスの取れたシステムレベルの設備投資サイクルへと移行しつつあり、パッケージングおよび検査装置は、従来のリソグラフィ、成膜、エッチング装置と並行して、より速い成長を示すようになることでしょう。

メモリー:
メモリー分野では、通年売上高が前年比16%増となりました。2025年第4四半期の前年比成長率は横ばいだったものの、第3四半期比では15%の大幅増加となっており、これは主にAIサーバー向けコンピュートASICにおけるHBM需要と、HBMのベースダイがDRAMプロセスからロジックプロセスへ移行していることを背景に、サプライヤー各社が高密度でAI最適化されたメモリー需要に対応すべく、NANDおよびDRAMの生産能力を力強く拡大していることを示しています。

さらにHBM4は、高帯域幅メモリーにおいて、HBM2E以降で初めてとなる大きなアーキテクチャ転換を示すものであり、ベースダイが従来のDRAMプロセスからロジックプロセスノードへ移行します。HBM4は2026年に市場投入される可能性が高く、2048ビットの標準インターフェースを採用し、最大12.8GT/sのデータ転送速度を実現する見込みです。カウンターポイントリサーチのMemory Trackerによると、HBM4およびHBM4Eは2027年のHBM総出荷の79%を占める可能性が高く、さらに、顧客が最新世代HBMを支える次世代ノードへ移行することや、AIインフラ全体でDDR5の採用が進むことにより、装置出荷が増加し、メモリー関連売上も引き続き堅調に推移すると見込まれます。この移行により、ウェハー当たりのリソグラフィ工程数が増え、EUV層の浸透率も高まり、ウェハー当たりのリソグラフィ需要はさらに速いペースで拡大し、その結果、成膜、エッチング、プロセス制御の装置集約度も高まることになることでしょう。

 

地理的な転換: 中国の役割は正常化へ
WFEメーカー上位5社における中国向け売上比率は、2025年に純システム売上高の32%へ低下しました。これは、地政学的な輸出規制と地域別ファブ投資の変化が影響し、市場分布がより「正常化」された状態へ移行しつつあることを反映しています。ただし、この低下分は、他の世界主要拠点における最先端生産能力の積極的な増強によって、次第に相殺されつつあります。

 

歴史的背景(2015~2025年): 構造変化の10年
WFE投資は過去10年間で大きく拡大し、上位5社の売上高は2015年から2025年にかけて年平均成長率14%で伸びました。この期間は、業界にとって最も資本集約的な時代を意味しており、能力増強型の設備投資から、技術主導型の設備投資への本質的な転換が進みました。こうした成長は、ウェハー生産能力の増加だけでなく、ウェハー1枚当たりの装置集約度が構造的に高まったことも反映しています。

2015年から2025年にかけてのWFE投資拡大は、ファウンドリ主導の先端ノード微細化、3D NANDやHBMといったメモリー移行、そして先端ノード製造の複雑さに対応するためのリソグラフィ、成膜、エッチング、計測分野における装置投入強度の上昇が重なった結果です。こうした半導体製造全体における資本集約度の構造的なステップアップが、業界が2nmロジック、先端パッケージング、AIインフラ向け設備投資の拡大へ向かう中で、2020年代後半にかけての継続成長の土台を築いています。

 

図2: WFE上位5社の装置・サービス売上高(10億ドル単位)・YoY成長率(%)2015~2025年

出典: カウンターポイントリサーチWafer Fab Equipment Tracker

 

カウンターポイントリサーチのアナリストによる見解: “WFE集約度”サイクル

カウンターポイントリサーチ シニアアナリストAshwath Raoは次の通り述べています。
「WFE投資が均等に分散するという従来型モデルは、新たな現実に取って代わられつつあります。」
Raoは、ゲート・オール・アラウンド・トランジスタとバックサイド給電を採用する2nmノードの立ち上がりによって、従来ノードと比較して工程数が大幅に増えると指摘しています。AIは、より高い演算密度、メモリー帯域幅、プロセス複雑性をもたらし、ロジックとメモリーの両分野において、ウェハー製造装置需要を構造的に押し上げています。さらにこの恩恵は、リソグラフィ最大手のASML、成膜分野のApplied Materialsと東京エレクトロン、エッチング最大手のLam Research、プロセス制御分野のKLA Corporationに加え、検査ソリューションのAdvantestやTeradyneにも及ぶと補足しています。また、Samsung Electronics、SK Hynix、Micron TechnologyによるHBM需要の急拡大と、HBMのロジック中心統合への移行は、TSMCのようなファウンドリや、ASE、Amkorといった先端パッケージング企業へ、さらに価値をシフトさせています。

AI主導の先端パッケージング動向に関して、カウンターポイントリサーチ シニアアナリストWilliam Liは次の通り述べています。
「TSMCでは依然として能力制約が続いていることから、AI関連顧客はOSATベンダーとの長期提携を通じて追加能力の確保を積極的に進めています。その結果、先端パッケージングの業界全体の能力は2026年に前年比でおよそ80%拡大する可能性があります。」

Raoはさらに次の通り付け加えています。
「私たちは、最先端ファウンドリ、DRAM/HBM、先端パッケージングが主導するサイクルへ移行しつつあります。これにより、より高いWFE集約度のサイクルが生まれ、2020年代後半まで続くことでしょう。」

 

本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://counterpointresearch.com/en/reports/Wafer-Fab-Equipment-Manufacturers-Full-year-2025-Performance-and-2026-Outlook

*本プレスリリースは2026年4月14日に発表されたプレスリリースの日本語版です。原文はこちらをご参照ください。
https://counterpointresearch.com/en/insights/WFE-Revenue-Up-12-percentage-YoY-in-2025-Driven-by-Increased-Memory-Advanced-Node-Foundry-Investments

今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。

【カウンターポイントリサーチ概要】
テクノロジーエコシステム全体にわたる製品を専門とするグローバル市場調査会社です。世界の主要なイノベーションハブ、製造クラスター、商業センターに拠点を構え、スマートフォンOEM、チップメーカー、チャネル企業、大手テクノロジー企業など、幅広いクライアント様にサービスを提供しています。経験豊富な専門家が率いる当社のアナリストチームは、経営幹部から戦略、アナリストリレーション(AR)、市場情報(MI)、ビジネスインテリジェンス(BI)、製品・マーケティングの各分野のプロフェッショナルまで、企業全体のステークホルダーと連携し、市場データ、業界のソートリーダーシップ、コンサルティングといった幅広いサービスを提供しています。
公式ウェブサイト: https://japan.counterpointresearch.com/