AppleのiPhone 15は2024年に世界で最も売れたスマートフォンになったとする調査結果を含むGlobal Handset Model Sales Trackerを、カウンターポイント・リサーチ・エイチ・ケー(英文名:Counterpoint Research HK、以下カウンターポイント社)が発表いたしました。AppleとSamsungは相変わらずトップ10機種を寡占し、他社は3四半期連続でトップ10に食い込むことができませんでした。特にSamsungの2024年は好調で、2024年には4機種がランクインと、2023年から1機種増やしています。
Appleの業績について、シニアアナリストのKarn Chauhan氏は次のように述べています。
「AppleのiPhone 15のベース機種は2024年のベストセラー機種一覧のトップで、その世界販売のほぼ半分が米国と中国での売上だ。iPhone 15 Pro MaxとiPhone 15 Proが、ベース機種に次いでトップ10の第2位と第3位を、それぞれ獲得した。消費者がProバージョンを好む傾向はこれまで以上に強くなっており、Proバージョンは初めてiPhoneの年間販売の半分を超えた。iPhoneの支払いプランや下取り価格が魅力的なことも、高級機指向を支えており、特に新興国市場において顕著だが、より広い顧客層にとって手が届くスマホになった。この結果、せっかくなら最新のiPhoneを、という風潮になり、これがインドにおいて2024年第4四半期のトップ5メーカーにAppleが初めてランクインすることにつながった。」
出典: Global Handset Model Sales Tracker
また、SamsungのGalaxy S24 Ultraについて、リサーチアナリストのHarshit Rastogi氏は次のように述べています。
「SamsungのGalaxy S24 Ultraは、Galaxy Sシリーズとしては2018年以来初めてトップ10にランクインした。この機種がGenAI(生成AI)機能を搭載した初のスマートフォンであり、消費者の関心を強く集めたことが、この結果につながった。先進機能を重視するSamsungの姿勢が好業績と先行者利益につながっている。チャットやメモの支援、ディスプレイ上で丸く囲んだ部分に関する検索、リアルタイム翻訳などの機能が関心を集め、高評価を得た。」
2024年には、Galaxy S24シリーズの販売は、その半分強が米国と西欧でした。2023年のGalaxy S23シリーズのときは60%であったので、変化がみられます。中東・アフリカなどの新興国市場でSamsungは大きく成長しているからで、同社の事業拡大戦略が順調なことが見て取れます。
Galaxy A15シリーズは前身機のGalaxy A14よりも好調で、トップ10ランキングにおいて、A14の2023年における順位よりも高い順位を獲得しました。A15の販売は各地で好調でしたが、特に北米では過去最高の年間成長を果たしています。強力な販売プロモーションと高い評判のおかげで、Galaxy A15の5台に1台は北米で販売されました。高機能ながら値ごろなスマートフォンというA15の評価が、Samsungの地位を強固にしています。
スマートフォンへのGenAi機能の搭載は増えていくでしょう。各メーカーはGenAIを高級機における差別化要素と位置付けているからです。2024年にはトップ10機種のうち5機種にGenAIが搭載されました。2025年にはGenAI搭載スマートフォンの数はさらに増えるでしょう。
【カウンターポイント社概要】
カウンターポイント社(英文名Counterpoint Research HK)はTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリスト陣はハイテク業界で長年の経験を積んだエキスパートである。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/