2025.07.11| PR|

 

 

Appleの好調が日本の2025年第1四半期スマートフォン販売を牽引
-販売台数は前年同期比31%増加、iPhone 16eと通信各社の積極的な販促が寄与-

【東京、北京、ベルリン、ブエノスアイレス、フォートコリンズ、香港、ロンドン、ニューデリー、ソウル、台北 – 2025年7月10日】

主なポイント
・日本のスマートフォン販売台数は、2025年第1四半期に前年同期比31%増加し、主要市場の中でも際立った成長を記録しました。

・成長の主な要因は、Appleが3年ぶりに投入したミッドレンジモデル「iPhone 16e」の好調な販売によるものです。

・通信事業者各社は新規契約や機種変更を促すため、端末返却プログラムを含むさまざまな販促キャンペーンを展開しました。

市場動向
カウンターポイント・リサーチの日本スマートフォン・セルスルー・トラッカーによりますと、日本のスマートフォン販売台数は2025年第1四半期に前年同期比31%増加しました。長らく成熟市場として停滞が続いていた日本において、これは極めて異例の成長となります。

この成長の中心にはAppleがあり、2025年第1四半期における同社の販売台数は前年比57%増を記録しました。2025年2月に発売されたiPhone 16eの販売好調に加え、前世代のiPhone 16シリーズの持続的な人気も追い風となりました。なお、市場全体における販売台数の前年比増加分のうち、およそ90%はAppleによるものであり、50万台を超える販売増を記録したOEMは他にありませんでした。

Smartphone Sales in Japan Market (in million)

通信事業者による販促活動と端末返却プログラムの拡大
Appleの好調に加え、通信事業者、OEM、小売業者による積極的なプロモーション活動も販売増を後押ししました。MNOおよびMVNO各社は、端末割引、ポイント還元、通信容量の増加、MNP優遇策、サービスバンドルなど、さまざまな施策を打ち出し、消費者の新規契約および機種変更を促進しました。

中でも、端末返却プログラムは短期間で日本市場に浸透し、多くの消費者に受け入れられています。これにより、最新モデルへの買い替えサイクルが加速する一因となっています。

Appleの圧倒的シェアとその背景
日本市場におけるAppleのシェアは、世界の他市場、特にアジア諸国と比較しても際立って高くなっています。これは、過去の通信業界における販売慣行や、日本におけるブランド志向、使い勝手へのこだわりなど、文化的・制度的要因に根ざしています。

以下のグラフは、日本におけるAppleの市場シェアの高さを国際比較で示しています。

Apple Smartphone Market Share in Major Countries

専門家の解説
2025年第1四半期の販売増加は、Appleの新モデル投入と通信各社の販促によるものであり、第2四半期も一定の成長が見込まれます。しかし、シニアコンサルタントの宮下洋子は次のように述べています。

「iPhone 16eの販売は、6月以降すでに減速しています。第3四半期以降は反動減も想定され、売上の鈍化が見込まれます。」

また、2025年後半に登場が予定されているiPhone 17は、ハイエンド市場に大きなインパクトを与える可能性がある一方で、高価格帯による販売抑制リスクも指摘されています。

Android勢では、サムスンやグーグルなどがフラッグシップモデルの価格競争力を高め、市場シェア拡大を目指しています。しかし、インフレや円安、関税増などの外部要因が、引き続き市場全体に重くのしかかる可能性があります。

カウンターポイント・リサーチについて
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