2024.07.31| PR|

カウンターポイント・リサーチ・エイチ・ケー(英文名:Counterpoint Research HK、以下カウンターポイント社)は、2024年第2四半期のスマートフォンベストセラー10機種を、これまで同様、AppleとSamsungが寡占したとする内容を含むGlobal Monthly Handset Model Sales Trackerを発表いたしました。それでも、2社だけでトップ10を独占した昨年の第2四半期と比べて、ランクインは1機種減りました。Samsungがランキングから1機種を落とし、代わりにXiaomiが1機種をランクインさせました。これによって、2四半期続いていたAppleとSamsungの独占状態が崩れたことになります。Appleがランクインさせたのは、これまでと変わらず、iPhoneの4機種ですが、順位は下がり気味です。2023年第2四半期には、iPhone 14シリーズとiPhone 13が1位から4位までを独占していました。しかし、この四半期は、iPhone 15、iPhone 15 Pro Max、それにiPhone 15 Proが3位までを占めた一方で、iPhone 14は6位に後退しています。

売上高でみると、トップ10機種におけるAppleのシェアは2024年第2四半期に前年同期比で減少しています。その中で、同社におけるProシリーズの売上比率は増えており、旧世代iPhoneのランキングが下がったことと合わせて、ハイエンド機種への需要のシフトが見て取れます。

 

高級機指向のトレンドがあるといいながら、SamsungのGalaxy S24 Ultraが2024年第2四半期には9位で、S23 Ultraが昨年同時期に8位だったのと比べ、順位を下げているのは矛盾しているように見えます。しかし、これには発売時期の影響が絡んでいます。このフラグシップ機種の発売が今年は早かったため、売上の一部が第1四半期に前倒しになったのです。SamsungのスマートフォンでランキングトップはGalaxy A15 5Gで、これに同じ機種の4G版が続きます。効率の良いマルチタスクを提供するA15シリーズは、中位価格帯の下側のセグメントでは人気の機種になっています。Samsungがランクインさせた機種の残りのうち、2機種はやはりAシリーズです。まずGalaxy A55 5Gは中位価格帯の上側のセグメントの機種で、セキュリティ機能に特徴があり、第7位になりました。また、ローエンドの機種であるGalaxyA05は、第10位になりました。

 

Xiaomiが、他社では唯一ランクインし、Redmi 13C 4Gが第8位でした。前身機種であるRedmi 12Cもトップ10に入ったことがあります。Redmiは従来から強かったアジア、中東・アフリカ(MEA)、カリブ・中南米(CALA)に加えて、西欧を中心とする欧州十数か国やオーストラリアでも販売されるようになりました。そのCシリーズはRedmiのエントリーモデルであるAシリーズに対するアップグレード版の位置づけです。

 

全体で見ると、2024年第2四半期のトップ10のうち高級機の機種数は5機種で、2023年第2四半期から変化はないものの、世界のスマートフォン市場における高級機の売上高シェアは1.5%低下しています。これは、S24 Ultraの発売が早かったことと、iPhone 15シリーズが中国で苦戦していることの影響ですが、必ずしも大きなトレンドを反映したものではありません。実際に、中国市場でAppleが失ったシェアはHuaweiの高級機に置き換わっています。また、生成AIを搭載したスマートフォンは、特にiPhone 16の発売も影響して、今年はその台数が増えるでしょう。したがって、高級機指向のトレンドは今後も長期的に続くものと考えられます。

 

 

【カウンターポイント社概要】

カウンターポイント社(英文名Counterpoint Research HK)はTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んでいる。

公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/