2025.01.14| PR|

 

世界の折り畳み型スマートフォンの出荷は2024年第3四半期に前年同期比1%減少し、6四半期連続していた対前年同期比成長が止まったとする内容を含む、Global Foldable Smartphone Market Trackerをカウンターポイント・リサーチ・エイチ・ケー(英文名:Counterpoint Research HK、以下カウンターポイント社)が発表いたしました。第3四半期に前年比割れするのは、この商品セグメントとしは過去にありませんでした。Samsungの新機種Galaxy Z6シリーズが期待ほど伸びなかったことが大きく影響しています。

出典: Global Foldable Smartphone Market Tracker

 

Samsungは、56%のシェアをもって、世界の市場リーダーの地位を取り戻しました。Z6シリーズの発売が後押ししました。とはいえ、同社の出荷台数は前年同期比で21%減少しています。新機種の中ではブック型のGalaxy Z Fold 6がまずまずの売れ行きですが、クラムシェル型のGalaxy Z Flip 6は前身機種ほどの勢いがありません。世界市場におけるシェア低下には、折り畳み型の需要が世界的に高まるなかでの中国事業の状況も関係しています。Samsungの折り畳み型は、2024年第3四半期に、中国国外では82%のシェアと絶対王者ですが、中国ではわずか8%のシェアと存在感が薄いのです。

 

折り畳み型の構成部品も成熟し入手が容易になるにつれ、Samsungは厳しい競争にさらされています。北米ではMotoが1000米ドル(約16万円)未満のフリップ型であるRazr を多種取り揃えており、また西欧ではHonorが魅力的な薄いブック型のMagic Vシリーズを販売しています。

 

Huaweiは、中国でのMate X5とPocket 2の根強い人気のおかげで、折り畳み型の出荷で前年同期比成長を続けています。その一方で、低価格を打ち出したNova Flipや、世界初の三つ折りモデルMate XTは、まだ実験的な意味合いが強く既存の機種ほどの出荷に至っていません。Huaweiは2024年第4四半期のMate X6の発売でさらに伸びる見込みです。

 

HONORとMotorolaは相変わらず折り畳み型市場で急成長を続けています。それぞれが6月と7月に発売したフラグシップ機種が好調です。特筆すべきはXiaomiで、前年同期比185%成長と、折り畳み型メーカーとして最も大きく成長しています。同社として初めてのクラムシェル型であるMix Fllipが加わったことと、中国国外での事業が始まったことが、この結果につながっています。同社の世界全体での出荷シェアは6%に上昇し、これは2021年第1四半期に折り畳み型に参入して以来最高の数字です。

 

カウンターポイントのシニアアナリストJene Park氏は次のように述べています。

「世界の折り畳み型市場は、転換点にある。これまでニッチなセグメントだったものが、メインストリームの機種になるための苦労が始まっている。ブック型の折り畳み機種はユーザーの満足度は高いものの、二の足を踏むような高価格が、広く普及することの障害になっている。各メーカーが手が届く価格にすることにもっと真剣になり、合わせて信頼性を向上させることで消費者の印象を良くすれば、この壁を乗り越えることもできるだろう。」

 

 

【カウンターポイント社概要】

カウンターポイント社(英文名Counterpoint Research HK)はTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリスト陣はハイテク業界で長年の経験を積んだエキスパートである。

公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/