低価格帯のスマートフォン(メーカー出荷価格で150米ドル、約2.2万円未満)は2024年第2四半期にしっかりと復調し、前年同期比で10%成長、台数では1億台を超えたとする調査結果を含む、Global Monthly Handset Model Sales Trackerを、カウンターポイント・リサーチ・エイチ・ケー(英文名:Counterpoint Research HK、以下カウンターポイント社)が発表いたしました。この結果、低価格帯のスマートフォンは2024年第2四半期の世界のスマートフォン販売全体の37%を占めるにいたりました。成長の原動力は主に新興市場で、低価格帯セグメントの販売全体の3/4を占めています。また、メーカー各社が、もともと高級機種向けの機能を低価格機に取り込むペースが速まったことも、要因です。これは、スマートフォン業界全体がいかに成熟してきているかを示しています。低価格帯スマートフォンの中でベストセラーのトップ10機種が、2024年第2四半期のこのセグメントの1/4を占めました。昨年の同じ時期の21%から増加しています。実際に販売されている低価格帯の機種数は、2024年第2四半期には1,500を少し超える数にまで減少しました。これは、2018年の第2四半期と比べるとほぼ半分です。メーカー各社が商品ポートフォリオを絞り、消費者も有名ブランドを好むようになるなかで、集中と選択が低価格帯においても進んでいることがはっきりと見て取れます。
出典: Global Monthly Handset Model Sales Tracker
2024年第2四半期の低価格帯スマートフォントップ10はXiaomi、Samsung、OPPOが寡占しており、いずれも3機種ずつランクインさせています。残る1機種はTECNOです。低価格帯スマートフォンで最も売れたのはXiaomi Redmi 13C 4Gで、これをSamsung Galaxy A05とA15 4Gが追っています。これらの機種はいろいろな地域で人気がもともと高い上に、性能・機能のバランスがよいため、ランキングのトップを獲得しました。低価格帯スマートフォンでは5Gへの移行の大きな動きがあります。2024年第2四半期には5G対応機種が低価格機全体の24%に達し、台数ベースでは年間で2.5倍に増えています。インドと中国はこの5G急増の中心にあり、両国の市場では5Gは低価格帯セグメントにおいても標準機能になりつつあります。5G対応機が値ごろになったことで、メーカー各社は5G対応を差別化ポイントとして打ち出し、結果として150米ドル未満のセグメントの急成長につながりました。Xiaomi Redmi 13C 5Gは2023年12月に発売された機種され、2024年第2四半期のトップ10にランクインしました。5G対応機がランクインするのは初めてで注目すべき出来事です。低価格帯5Gでは、他にもRedmi 12 5Gとrealme 12xが好調です。5G対応と並行して、こうした低価格帯機種では、上位機種並みの機能も取り込まれてきています。例えば、高機能カメラ、大型バッテリー、急速充電などです
【カウンターポイント社概要】
カウンターポイント社(英文名Counterpoint Research HK)はTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んでいる。
公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/