カウンターポイントリサーチ (英文名: Counterpoint Research 以下、カウンターポイントリサーチ社)は、2025年グローバルの5G FWA CPE出荷台数は前年比18.2%増となったという調査結果を含むFWA CPE Tracker and Forecastによる最新調査を発表致しました。


カウンターポイントリサーチ社のFWA CPE Tracker and Forecastによると、2025年グローバルの5G FWA CPE出荷台数は前年比18.2%増となり、新たなピークに達しました。市場は世界的なFWA加入者の増加に牽引され、引き続き堅調に推移しています。5G FWAは、既存の固定ブロードバンドソリューションに対する有力な代替手段、または補完手段として機能できる体制が整いつつあります。5G FWA市場の主要な推進要因の一つは、既存の5Gネットワークを収益化できる点にあり、通信事業者は固定ブロードバンドネットワークの制約を超えてブロードバンドアクセスを提供できます。情報格差を埋め、ブロードバンドが十分に行き届いていない地域へ接続性を届けることも、各国における政府とオペレーターの強い支援を背景としたFWA市場の重要な推進要因です。一方で、規制環境の違いにより市場はフラグメンテーションされており、地域によってベンダーのパフォーマンスにばらつきが出ています。

図: ベンダー別 グローバル5G FWA出荷シェア・2024年と2025年の比較

出典: カウンターポイントリサーチ社FWA CPE Tracker and Forecast, Q1 2026

 

各ベンダーの動向

  • Nokiaは、フラグメンテーションされた5G FWA市場において出荷ベースで首位を獲得しました。インド、米国、そしてEMEAの一部地域での強い実績が主な要因です。
  • Nokiaは出荷面では好調だったものの、低い利益率を背景に、FWA CPE部門のトランジションを開始し、より高マージンのセグメントを優先するという戦略判断に至りました。これは長期的には、Nokiaのオペレーターパートナーを競合が取り込む機会になり得ることでしょう。
  • ZTEとHuaweiが残りのトップ3となりました。両社は米国およびインド市場でのプレゼンスがないにもかかわらず、EMEAとSEAでの強い実績によって上位に入りました。他ベンダーよりも低いASPが競争上の優位性となりました。
  • Arcadyan、WNC、Sagemcomが続き、西欧と米国で好調でした。よりプレミアムな加入者基盤を持つ顧客に対し、より複雑なソリューションを提供しています。
  • 5G FWA市場は依然としてフラグメンテーションされており、地域特性と規制がベンダーのパフォーマンスに大きく影響しています。オペレーターとベンダーのパートナーシップが重要な局面に入っているため、成功のためには適切なパートナー選定が極めて重要になることでしょう。

 

技術の進化に関して、カウンターポイントリサーチ社シニアアナリストTaimur Zafarは、次の通り述べています。
「2025年を通じて、5GはFWAにおける支配的な技術としての地位を確立し、出荷の80%超を占めました。5G FWAのチップセット価格が低下するにつれ、そして、ASPの低下が進むことで、5G FWA CPEは固定ブロードバンドの代替手段に対して競争力を維持しています。一方で、メモリコストの上昇はFWA CPEと固定CPEの双方にとって懸念材料であり、エッジAIの統合は遅れる可能性があります。家庭内では現在Wi-Fi 6が主流ですが、近い将来Wi-Fi 7の普及が急速に進むと見られ、オペレーターが家庭内ネットワーク体験の改善を目指す中で、次の買い替えサイクルを促すことになるでしょう。」

Zafarはさらに、次のように付け加えています。
「AI統合と高度なソフトウェアサービスが新たな差別化要素になっています。オペレーターはARPUを高め、解約を減らすため、ますます複雑なソリューションを求めています。Huawei、ZTE、WNC、Sagemcomなどの主要ベンダーは自社のソフトウェア・ポートフォリオを開発していますが、小規模なCPEベンダーは魅力的なソリューションを提供するためにソフトウェア専門企業との提携が必要になる可能性があります。FWAは単に接続性を提供する段階を超え、スマートホーム体験を可能にする方向へと進んでいます。」

地域動向に関して、カウンターポイントリサーチ社プリンシパルアナリストTina Luは、次の通り述べています。
「2025年のFWA展開は、主に米国、インド、そしてアジア、EMEA、LATAMに集中しました。米国は引き続きFWAの重要市場であり、地方や郊外ではFTTHの展開コストが高いことが背景にあります。DOCSISの普及により、固定ブロードバンドが存在する地域であっても、5G FWAは相対的に競争力を保ちやすくなっています。インドもFWAの重要市場となっており、ブロードバンドが十分に行き届いていない地域に接続性を届けるため、同技術が大規模に展開されています。この戦略により、インドのISPは将来のFTTH展開に備えつつ、物理ネットワークの限界を超えて顧客基盤を拡大することが可能となっております。」

Lu氏は続けて、次の通り述べています。
「インドネシアなど他国でも、インドに近いモデルを採用し、FWAとFTTHを併用して情報格差を埋める動きが見られます。4G FWAはアフリカ、LATAM、アジアの一部では引き続き重要ですが、これらの地域で5Gインフラの拡大が進むにつれて、4G FWAは縮小していくことでしょう。」

本プレスリリースと関連して、「AIとFWAの統合・ワイヤレス・ブロードバンドの新時代を形作る」と題したホワイトペーパーが無料で公開中です。こちらのページより、必要事項をご記入の上、ご参照ください。
https://japan.counterpointresearch.com/whitepaper/integration-of-ai-and-fwa-shaping-a-new-era-of-wireless-broadband/

*本プレスリリースは2026年3月3日に発表されたプレスリリースの日本語版です。原文はこちらをご参照ください。
https://counterpointresearch.com/en/insights/Global-5G-FWA-CPE-Market-grows-18.2-Percent-YoY

今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。

【カウンターポイントリサーチ社概要】
テクノロジーエコシステム全体にわたる製品を専門とするグローバル市場調査会社です。世界の主要なイノベーションハブ、製造クラスター、商業センターに拠点を構え、スマートフォンOEM、チップメーカー、チャネル企業、大手テクノロジー企業など、幅広いクライアント様にサービスを提供しています。経験豊富な専門家が率いる当社のアナリストチームは、経営幹部から戦略、アナリストリレーション(AR)、市場情報(MI)、ビジネスインテリジェンス(BI)、製品・マーケティングの各分野のプロフェッショナルまで、企業全体のステークホルダーと連携し、市場データ、業界のソートリーダーシップ、コンサルティングといった幅広いサービスを提供しています。
公式ウェブサイト: https://japan.counterpointresearch.com/