- 2030年までには、4GがIoT導入における最も支配的な中核基盤となり、モジュールASP(平均販売価格)の下落を背景に、Cat-1、Cat-1 bis、Cat-4が最も広く利用される技術になる見通しです。
- 一方で、4Gのサンセットの初期兆候も世界的に現れ始めており、成熟市場では2028年前後から初期的なフェーズアウトの議論が始まり、新興市場ではその動きが2030年代半ばまで続くとみられます。
- 次の成長局面を牽引するのは5G RedCapとeRedCapであり、モジュール価格は4G並みまで低下すると予想されているため、これらの技術はスケーラブルかつコスト効率の高い後継技術として位置づけられます。
2Gと3Gは現在でも、特にスマートメーター、アセットトラッキング、POS、基本的なテレマティクスといった価格感応度の高い用途において、IoTエコシステムの基盤となっています。その理由は、モジュールコストが低く、ネットワークカバレッジも広いため、大規模かつマス向けのIoT展開に適しているためです。
しかし、LTE-MやNB-IoTといった4G IoT技術の台頭により、市場はより優れた電力効率、スケーラビリティ、長期的なサポートを備えた、より効率的な代替技術へと移行しつつあります。その結果、業界は徐々に2G・3Gから離れつつあり、こうしたレガシー技術のグローバルなサンセットが進行しています。
レガシー技術のサンセット
2Gおよび3Gからのグローバルな移行は、地域によって著しく異なるスピードで進んでいます。日本、韓国、オーストラリア、米国はすでに2Gの停波を完了しており、3Gの終了にも早期に着手しています。これは、ネットワーク進化の先行と、4G以降の技術の高い普及を反映したものです。欧州でも積極的に移行が進められており、多くの停波はすでに完了しているか、2025年〜2030年頃を目標に進められています。
一方、中国、インド、中南米では、特に地方部や価格感応度の高いセグメントにおいて、レガシーネットワークが依然として相当数の加入者とIoT基盤を支えており、全面的な停波時期を遅らせています。同様の傾向はアフリカでも見られ、価格面の制約や4Gの供給不足により、2G・3Gは依然として接続戦略の中に組み込まれています。その結果、中国とインドでは2Gが2030年頃に向けて段階的に終了していく可能性が高く、アジアの一部地域では2030年代初頭までサポートが延長される見通しです。中南米でも2030年代初頭のフェーズアウトが見込まれる一方、中東・アフリカではより長期化し、一部では2030年代半ばまでレガシーネットワークが残る可能性があります。
4Gのサンセットと5G RedCap/eRedCapの台頭:移行の次の局面
4Gは現在も、広いカバレッジ、手頃なコスト、成熟したエコシステムを背景に、コンシューマー向け・IoT向けの両方の導入を支える重要なグローバル接続基盤です。Cat-4、Cat-1、Cat-1 bisといった技術は、特に価格感応度の高い市場において、幅広い用途を効率的に支え続けています。その一方で、5Gネットワークの数とカバレッジは拡大を続けています。5G RedCapやeRedCapのような新しい技術の採用は、5G SAネットワークの展開に依存していますが、この展開は依然としてかなり緩慢です。こうした進化が進むにつれ、通信事業者は4Gの長期的なフェーズアウトを検討し始めており、その時期は、デバイスの対応状況、5Gカバレッジ、周波数再編といった要因と密接に結びついています。これらが移行ペースを左右することになります。
IoTにおける5Gへの移行は、どちらかといえば長期的な効率性とスケーラビリティを見据えたものです。RedCapとeRedCapは、既存の4Gカテゴリーに匹敵する性能を提供しつつ、将来のネットワーク進化にも整合します。5G SAのカバレッジが改善するにつれて、これらの技術は4Gの自然な後継としての役割を強めていくことでしょう。
こうした背景のもと、4Gサンセット計画の初期的な兆候が各地域で現れ始めています。アジアでは、10年代末に向けて初期的なフェーズアウトの検討が始まる見込みです。日本と中国では、2028年〜2029年頃から早期の動きが見られる可能性があります。北米でも、2028年前後から同様の初期的な動きが出てくると予想されます。欧州では、2020年代後半から2030年代初頭にかけて移行の初期シグナルが現れる見通しです。中南米とインドでは、2030年代半ばから停波計画の策定および開始が進む可能性が高いとみられます。中東・アフリカはさらに遅れ、初期的なフェーズアウト検討は2030年代半ば近くになる見込みです。
図: 地域別4Gサンセットタイムライン

出典: カウンターポイントリサーチ
IoTモジュールおよびデバイスベンダーにとって、4Gサンセットは重要な転換点となります。この移行は、フルスケールの5Gへ直接移るものではありません。5Gは依然として大規模普及には高コストすぎるためです。
むしろ、5G RedCapやeRedCapのような中間的な技術が採用されることになります。2032年までに、RedCapモジュールの価格は約12ドル帯、Cat-4は約11ドルになると予測されています。この小さな価格差によって、5G RedCapが4G Cat-4を置き換えることが可能になります。
同様に、下位帯域のセグメントでは、Cat-1およびCat-1 bisの価格低下が続き、2030年までにASPはほぼ半減すると見込まれています。その間にeRedCapが存在感を高め、市場シェアを奪い始めるとみられます。
市場ごとに進化のスピードが異なる中、4Gから5Gへの移行、さらに5G内部でのRedCap系技術への移行という二重の変化に合わせて製品ロードマップを整合させることが、地域をまたいで競争力を維持するうえで不可欠になります。ベンダーには、低コスト4G需要への対応と、新たな5G IoT導入への対応の両立が求められます。
結論
俯瞰してみると、2G・3Gから4G、そして5Gへという進化は、急激な断絶の連続ではなく、層を重ねながら地域ごとに異なる形で進む移行プロセスであることが分かります。レガシーネットワークは、必要性が高い地域では今後も存続し続ける一方で、4Gは今日におけるIoTの主要基盤であり続けます。
同時に、5Gへの流れはより構造的なものになりつつあり、RedCapとeRedCapが、コスト効率と次世代性能をつなぐ実用的な橋渡し役として浮上しています。これらの変化は、単なる破壊的転換によってではなく、慎重な共存と段階的な移行を通じて、セルラーIoTの景色を少しずつ再定義していくことになります。
今後を見据えると、2030年代初頭にはすでに6Gも視野に入っており、IoT導入の将来耐性を確保する必要性はさらに高まります。多くのIoTデバイスは10年以上現場で使われる前提で設計されるため、今日の技術選択は長期的な実行可能性にとって極めて重要です。
そのため、今後の導入では、現在のコスト効率と、進化するネットワーク能力に対応できるアップグレードパスとのバランスを取りながら、より慎重かつ先を見据えた判断が必要になります。こうしたサイクルを先読みし、長寿命を前提に設計できる企業こそが、次の接続進化の波をうまく乗りこなせることでしょう。
本記事に関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://japan.counterpointresearch.com/coverage/iot-ciot-tracker-forecast-report/
*本記事は2026年4月27日に配信された記事の日本語版です。原文はこちらをご参照ください。
https://counterpointresearch.com/en/insights/Global-Cellular-Technology-Sunset-From-2G-and-3G-Legacy-to-the-Rise-of-5G-RedCap-and-eRedCap
今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。
【カウンターポイントリサーチ概要】
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