カウンターポイントリサーチ (英文名: Counterpoint Research 以下、カウンターポイントリサーチ)は、分析対象となったソブリンAI LLMの92%でNVIDIAが使用されていることが分かったという調査結果を含むSovereign AI LLM Research Report, July 2026による最新調査を発表致しました。
世界最大のAIサーバー向けアクセラレーターベンダーであるNVIDIAは、ソブリンAI LLMの学習および推論環境においてほぼ全面的に採用されており、カウンターポイントリサーチのSovereign AI LLM Research Report, July 2026によると、分析対象となったソブリンAI LLMの92%でNVIDIAが使用されていることが分かりました。ソブリンAIインフラにおけるNVIDIAの圧倒的なリーダーシップは、先端シリコン技術と成熟したCUDAソフトウェアエコシステムに支えられており、大規模なAIモデルの学習および推論を可能にしています。
本調査では、米国と中国以外の各国が、国内LLMの開発能力およびAIインフラの構築をめぐってどのように競争しているのかを把握するため、中東、中東欧、西欧、アジア太平洋(APAC、中国を除く)、中央アジア、アフリカ、北米(米国を除くカナダ)、CALAの80か国以上を評価しました。そのうち約55か国で国内LLMが開発されていることを確認し、170以上のモデル(最新の稼働バージョン)を分析しました。分析では、ソブリンLLMのモデルタイプ、学習および推論に使用されるAIチップインフラ、ソブリンLLMの保有主体、基盤モデルの構築、現地言語への対応度、アプリケーションといったLLMの能力に加え、パートナーシップモデル、エコシステムの成熟度など、様々な観点から評価しています。
本調査結果に関して、カウンターポイントリサーチのリサーチディレクターMarc Einsteinは次の通り述べています。
「私たちのソブリンAI LLMに関する調査から、ホスティング環境のソブリン化は進んでいる一方で、AIチップの供給元については必ずしもそうではないことが分かっています。多くの国内LLM開発企業は、成熟したCUDAベースのエコシステムを背景に、LLMの学習にNVIDIAのAIチップを幅広く採用しています。今後については、AMDもソブリンAI LLM分野での存在感を高めようとしています。基盤モデルコンソーシアムのメンバーであるMorehでは、子会社のMotifがAMD上でLLMを構築している他、開発企業UpstageによるM1355の導入も進んでいます。さらにCerebrasは、G42、MBZUAI、インドのC-DACと連携し、インドにスーパーコンピューターを導入するなど、『Cerebras for Nations』の取り組みを加速させています」
Einsteinはさらに、次の通り述べています。
「ソブリンAIインフラがさらに拡大する中、NVIDIAは次のAI成長領域である推論やソブリンAIファクトリーの構築を取り込むため、世界各地で数十億ドル規模の大規模なパートナーシップを相次いで締結しています。一方で、この市場への参入を目指し、トークノミクスやエコシステム支援の観点から積極的に取り組む企業も増えています。注目すべき新興プレイヤーとしては、Qualcomm、Rebellions、Positron AI、Sambanova、Cerebrasのほか、Google TPUやAWS Inferentiaをベースとしたインフラなどが挙げられます」
図: AIチップベンダー別 世界のソブリンAI LLMインフラ・イネーブラーシェア

出典: カウンターポイントリサーチ AI 360 Practice: Sovereign AI Research, July 2026
NVIDIAの圧倒的なシェアの一方で、他社も存在感
- AMDのシェアは4%と限定的ですが、LUMIスーパーコンピューターで学習された欧州のLLMを通じて、戦略的なポジションを確立しています。フィンランドに設置され、欧州の共同コンソーシアムによって運営されているLUMIクラスターは、AMDのAIチップアーキテクチャを採用した代表的かつ重要な導入事例となっています。また、アジア太平洋地域のAI LLM市場にも広がっており、AMDと直接提携しているオーストラリアのAI企業Maincodeや、Morehが開発した韓国のLLM「Llama-3-Motif-102B」などで採用されています。
- Cerebrasは、UAEにおいてLLMファミリーの「Jais」および「K2 Think」で採用されています。また、アブダビを拠点とするG42と9億ドル規模の投資関係を持ち、両社は相互接続された9基の「Condor Galaxy」AIスーパーコンピューターを共同構築しています。
残る1.7%のシェアは、主に日本のカスタムAIチップなどが占めています。具体的には、「Fugaku LLM-13B」に使用される富士通のA64FX - ARM CPUが含まれます。一方、日本のLLM「Sakana EvoLLM-JP v1」は、既存のオープンモデルをゼロから学習するのではなく、アルゴリズムによって組み合わせる「進化的モデルマージ」によって構築されています。また、イスラエル国内のAI企業A121が開発したLLM「Jamba 2」は、Google Cloud TPU(Trillium)を使用して学習されています。
- 複数の新興プレイヤーが、ソブリンAIの推論市場への参入を進めています。QualcommとサウジアラビアのHUMAINによる提携の他、RebellionsとSK Telecomの連携も韓国市場で存在感を高めています。このほか、Graphcoreと英国のHadean、英国原子力公社(UK Atomic Energy Authority)、STFC Hartree Centreとのパートナーシップなども注目されています。
本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。
https://counterpointresearch.com/en/reports/sovereign-ai-llm-research-report-mapping-the-global-race-to-build-domestic-llms
*本プレスリリースは2026年8月5日に発表されたプレスリリースの日本語版です。原文はこちらをご参照ください。
https://counterpointresearch.com/en/insights/invidia-dominates-with-92-percent-share-in-counterpoint-researchs-sovereign-ai-llm-index
今回の発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独自の調査方法で実施したものです。
【カウンターポイントリサーチ概要】
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