カウンターポイント・リサーチ・エイチ・ケー (英文名: Counterpoint Research HK 以下、カウンターポイント社)は、2023年度版eSIMオーケストレーション・プラットフォーム(総合管理プラットフォーム)市場において、AmdocsとIDEMIAが市場を主導するペースセッターに位置付けられたというGlobal eSIM Orchestration COmpetitive, Ranking and Evaluation (CORE)の分析結果を含むGlobal eSIM Landscape reportによる最新調査を発表致しました。

 

eSIMプロビジョニングプラットフォームのランキングや競合状況に関して、カウンターポイント社リサーチアナリストVarun Gupta氏は次の通りコメントしています。

「スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、ラップトップなど、より多くの端末がeSIMを搭載するようになったことなど、eSIM業界は大きな変化の中にある。Appleの最新のiPad ProとiPad Airのセルラー通信付きバージョンではeSIMのみがサポートされた。旅行用eSIMは、世界中の大抵の場所でシームレスな接続ができるため、頻繁に海外に行く出張者や旅行者たちの大勢が使うようになった。このようにeSIMが普及し、ユーザーに完全にデジタル的に手続きできる便利さを提供する潮流の中で、多数のeSIMを管理し設定する、いわゆるオーケストレーションの需要もまた、急速に高まってきている。特に北米市場においてeSIM対応スマートフォンの普及が進んでいることから、デバイス転送はeSIMエコシステムのプレーヤーにとって重要なユースケースとなっている。」

カウンターポイント社による2023年度版Global eSIMオーケストレーションランドスケープ

出典: カウンターポイント社eSIM Devices Management Deployment Forecast

Gupta氏は、さらに次の通り続けています。

「eSIMバリューチェーン上の主要な企業を、私たちが独自に開発した評価フレームワークであるCOREを用いて分析した。COREは各社をその能力とエコシステムの充実度合いでマッピングする手法だ。この業界はダイナミックに変化しているため、私たちの評価項目もそれに合わせて変えてきている。例えば、マルチテナント、処理自動化、MVNO企業への対応が新たに追加した評価項目だ。私たちが能力評価で使用する項目には、SIMのライフサイクル管理、BSS(受付・契約管理・料金計算・請求などの顧客業務を支援するシステム)/OSS(ネットワーク機器の設定や障害検知など、顧客の通信ネットワーク運用業務を支援するシステム)の統合、ID管理、データ分析、エンタイトルメントサーバー(各ユーザーそれぞれの契約内容により、どんな機能が利用できるかを管理する)のサポート等がある。一方で、エコシステムにおける充実度合いを測る指標として、サービス提供地域の広さ、パートナーシップ、プラットフォームの導入数等がある。こうした評価項目の中でも、データ分析、手続き自動化、認証とエンタイトルメントの統合は、特に重要になってきており、オーケストレーションを提供する各社は、自社プラットフォームを通じて最高の機能を提供することが求められている。」

 

本調査結果に関して、カウンターポイント社リサーチディレクターMohit Agarwal氏は、次の通りコメントしています。

「カウンターポイント社eSIMオーケストレーション企業ランキングから、AmdocsとIDEMIAの2社がペースセッターとして台頭してきたことがわかる。両社は能力においてもエコシステムの充実度においても、他社と比べて抜きんでている。能力の面では、Amdocsが最高評価を得た。キャリアとコンシューマー両方にとって豊富な機能が提供される包括的な万能プラットフォームになっていることが評価された。また、エコシステムの面でも、Amdocsが最優秀だった。IDEMIAも、エコシステムでの多数のパートナーとプラットフォームの導入数が評価され、Amdocsに近い点数となった。」

 

Thales、RedTea Mobile、G+D、LotusFlare、1Global、10T Techは、プロビジョニングにフォーカスして業績を伸ばしました。これらの企業は最新機能を搭載し、プラットフォームを大幅に強化しています。10T TechとRedTea Mobileはエコシステムの拡大をどこよりも急速に進めています。ThalesやG+Dは、機能を大幅に強化し、既存のSIMを扱う企業の追撃に対応しています。

Tata Communications (Oasis Smart SIM)、Valid、Tripica、Moflix、Invigoの各社は上述のリーダー格の企業を追う挑戦者の立場であり、各社ともに良い機能を搭載したプラットフォームを提供しています。市場でのプレゼンスはまだ高くありませんが、高い能力によって今後の成長や市場へのインパクトが期待できます。Invigoは昨年比で最もランキングの順位を上げた企業です。

Workz、HPE、Kigen、Eastcompeaceは2023年の新興勢力で、パートナー企業もプラットフォームの導入数も伸ばし、エコシステムを大きく拡大させました。今後、プラットフォームの機能に磨きをかければ、リーダーの一角に食い込むことになりそうです。

特定の市場に特化している1oTとNordic eSIMはニッチプレイヤーの位置にいます。カウンターポイント社では、両社は今後新たな事業機会を捉えて成長し市場を広げていけば、挑戦者あるいはリーダーの位置に上がってくる可能性があると考えています。

 

本プレスリリースに関する詳細並びに情報は、こちらからご覧いただけます。

https://www.counterpointresearch.com/research_portal/esim-devices-management-deployment-forecast-2018-2030-2023-h2-update/

 

 

【カウンターポイント社概要】

Counterpoint Research HKはTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んだ経験を持つ。公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/