カウンターポイント・リサーチ・エイチ・ケー(英文名:Counterpoint Research HK、以下カウンターポイント社)は、世界の折り畳み型スマートフォン市場が、2024年第1四半期に前年同期比49%成長し、ここ6か月で最高の成長率となったとする最新調査結果を含む、Foldable Smartphone Shipment Trackerを発表いたしました。この急成長は中国メーカー数社が大きく出荷を伸ばしたことによるものです。なかでも、Huaweiは初めて四半期別の世界の出荷台数で、この分野をずっとリードしてきたSamsungを抜いて、トップになりました。

 

 

Huaweiが折り畳み型において5G対応したことは、この四半期に前年同期比257%伸びたことの主要因です。昨年は、Huaweiの折り畳み型ラインナップはLTE対応の機種のみでした。しかし、2024年第1四半期には、同社の折り畳み型の出荷全体の84%を5G対応折り畳み機種が一気に占めました。

 

昨年9月に発売された、Huawei初の5G対応ブック型折り畳み機種であるMate X5は、3四半期にわたって中国の折り畳み型市場でのベストセラーでした。2024年3月に、Hauweiはさらに初の5G対応クラムシェル型モデルであるPocket 2を市場に投入し、これが第1四半期の出荷数量に大きく貢献しました。自社開発した5G SoCの供給に課題を抱えるものの、Huaweiは、高価格帯である折り畳み型を、引き続き同社の重点領域としています。

 

Huaweiが中国市場に集中しているのとは対照的に、HONORとMotorolaは海外市場で大きく出荷を伸ばしました。HONORの折り畳み型の世界におけるシェアは、昨年の3%から2024年第1四半期には12%へと跳ね上がり、同社はこのジャンルの第3位になりました。折りたたんだ時に最も薄いことが特長のHONOR Magic V2のおかげで、中国国外での同社の出荷は大幅に増加しました。この機種は、2024年第1四半期に西欧で出荷が最も多かった折り畳み型となっています。同様に、Motorolaも世界でのシェアを11%に伸ばし、第4位となりました。同社のRazr 40(またはRazr 2023)は北米でトップモデルの座を獲得しています。

 

さて、2024年第1四半期には、世界の折り畳み型市場においてブック型の出荷が55%になり、クラムシェル型の出荷を超えました。これは、2021年にSamsungが Galaxy Z Flip 3を発売して折り畳み型市場が立ち上がって以降、初めてのことです。いうまでもなくクラムシェル型はSamsungがずっとリードしてきた市場です。クラムシェル型は、中国の折り畳み型市場を別にすれば、値ごろなことから人気を集めてきました。しかし、Huawei、HONOR、OnePlus、vivoなどの中国メーカーは、昨年後半から継続的にブック型の新機種を発売してきたため、そのぶんSamsungのクラムシェル型の出荷が減速しました。この結果、この四半期に両社のシェアの逆転が起こったのです。

 

ブック型の折り畳み機種が成長しているものの、新機種発売を控えてクラムシェル型の潜在成長性への期待は高いままです。Samsungは性能と信頼性を高めたZ Flip 6で首位を奪還する意気込みです。Huaweiもクラムシェル型で積極攻勢をかけており、低価格機種をラインナップに追加する予定です。HONORとXiaomiもクラムシェル型市場に参戦する覚悟を決めており、この市場の競争は激しくなるでしょう。

 

【カウンターポイント社概要】

カウンターポイント社(英文名Counterpoint Research HK)はTMT(テクノロジー・メディア・通信)業界に特化した国際的な調査会社である。主要なテクノロジー企業や金融系の会社に、月報、個別プロジェクト、およびモバイルとハイテク市場についての詳細な分析を提供している。主なアナリストは業界のエキスパートで、平均13年以上の経験をハイテク業界で積んでいる。

公式ウェブサイト: https://www.counterpointresearch.com/