2024.05.25| Data|

Global ShareQ2 2022Q3 2022Q4 2022Q1 2023Q2 2023Q3 2023Q4 2023Q1 2024
Android83%82%76%78%81%81%74%77%
iOS16%17%22%20%17%16%23%19%
Harmony1%2%2%2%3%3%4%4%
Total100%100%100%100%100%100%100%100%
  • 世界のスマートフォンのOS別シェアは昨年から大きな変化はありませんでした。AndroidとiOSはそれぞれ1%シェアを落としました。一方で、Harmony OSは世界シェアを2%から4%に倍増させており、中国国内のシェアは17%に達しています。
  • Androidのシェアは2024年第1四半期に、前四半期比でリバウンドしました。これは、iOSの販売が季節性変動で減少したためです。加えて、SamsungのS24シリーズの発売が早く、発売当初からこの機種の評判が良かったことも、Androidのシェア減少を食い止める役割を果たしました。現在のところGenAI（生成AI）が使えるのはAndroidスマートフォンにほぼ限られています。そのため、今後GenAIの認知度が高まり、新しいユースケースが生まれてくると、シェアはさらに高くなると予想されます。また、これによるスマートフォンの買い替えも起こるでしょう。
  • iOSのシェアは前年同期比で1%低下しました。季節性の要因に加えて、同社にとって2番目に大きな市場である中国での販売が落ちたことが、影響しました。世界全体でのシェアは2023年第1四半期の20%から2024年第1四半期の16%へと低下しました。また、中国では第1四半期として前年比のシェアが落ちるのは2019年第1四半期以降初めてのことになります。Huaweiの5G対応スマートフォンが直接の競合になったことが大きく響いています。
  • Harmony OSは成長を続けており、2024年第1四半期には世界シェアが4%に達しました。中国では消費者がこぞってHuaweiのフラグシップ機種を買い求めたため、このOSのシェアが初めてiOSを上回りました。5G搭載機種の比率は、2023年第1四半期の9%から一気に増えてこの四半期には50%に達しました。Huaweiはサプライチェインを国内に取り込むことに注力しており、この比率はさらに高まるとみられます。

 

Global ShareQ1 2022Q2 2022Q3 2022Q4 2022Q1 2023Q2 2023Q3 2023Q4 2023
Android81%83%82%76%78%81%81%74%
iOS18%16%17%22%20%17%16%23%
Harmony1%1%2%2%2%3%3%4%
Total100%100%100%100%100%100%100%100%

 

世界のスマホOSに関しては、2023年第4四半期は過去になく明暗が分かれた。iOSとHarmony (Huaweiが独自に開発したOSで、米中摩擦により開発が加速)はそれぞれ過去最高のシェアである23%と4%を記録したのに対し、Androidは過去最低の74%になった。高級機指向の流れをうけて消費者がAndroid端末から切り替えていることがiOSのシェア拡大につながり、また、Huawei製の5Gスマホの好調ぶりが中国におけるHarmonyのシェア拡大の加速につながっている。

それでもAndroidは世界的に見れば未だに支配的である。またMEA（中東・アフリカ）などの新興市場でのスマホの成長によって、シェアの落ち込みはある程度抑えられている。Androidは600米ドル（約9万円）未満の価格帯では独壇場で、また唯一のオープンソースのOSであることから一部のメーカーにとっては市場参入時の第一選択肢となっている。Androidはカスタマイズ可能なので、各社が自分の製品らしさを出すこともできる。

iOSは四半期として過去最高のシェアを記録した。各地域で過去最高の売り上げを記録したことが、この結果につながった。使い勝手の良い支払いプランの充実のおかげもあって、世界中の消費者が高級スマホに乗り換え、「はじめての高級機」を手にしたユーザーが大勢生まれた。その恩恵を誰よりも受けたのがAppleである。アプリやサービスを含むAppleのエコシステムのおかげで、若者にもiOSの人気が高い。

Harmony OSは世界市場で4%、中国国内では16%のシェアを超えた。Huaweiの5Gスマホが発売されて以降、OSのほうも急拡大している。2023年第4四半期には、Harmony OSを搭載したスマホの40%が5G対応機種であった。2022年第4四半期には7%にすぎなかった。